Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Dying to DO! 1
変態プレイ気味ですので★高め。
両人ともちょいとおかしなギャグ風味です。
裏度数【★★★★☆】
Dying to Do! 1
雲一つない快晴。窓辺には日頃あまり見かけない鮮やかな色彩の小鳥までさえずり、常連が次々と集い朗らかな挨拶を交わし合う。そんな清々しい情景にそぐわず、朝から全く調子の整わないティファは両方の二の腕をさすり必死に気合いを入れ直す。
(んっ...)
自らの与えた刺激にさえ過敏に反応を示す身体はやはりおかしなままだった。考えられる理由はただ一つ。立て続けに舞い込むオーダーをこなしつつも思考はひとりでに時を遡る。
「はっ、はっ、はぁっ...んっ...」
ポタリと生温い汗が胸の水たまりを広げる。クラウドが中に侵入してからしばらくが経った頃、ティファは普段とは似て非なる未知の感覚に違和感を感じ始めていた。そして今、一段と力強い波が彼女に襲いかかりだす。あ、奥の方...ジンジンして...まっ...
「待って!クラウド!」
「...痛かったか?」
目に見えて傷つき下がる眉に「違うの、違うけど...」と否定をするが、理由をありのまま述べる訳にはいかない。戸惑う彼も、とはいえそこで行為を中断させることは不可能で、気遣いながらゆっくりと抜き、しかし再び奥までしっかりと収めてくる。
「あっ...ん!ダメ、動いちゃ...」
ティファは狼狽をして背骨をよじる。台詞とは裏腹にそこに苦痛の色は伺えず、むしろ火照った身体から噴き出す汗と荒く上下する胸がいやらしく、もはや誘っている風にしか見えなかった。「無理だよ、ティファが色っぽ過ぎて止まれない...」と堪らず律動を再開するクラウドに、ビクっと身体が派手に揺れた。
「ダメ、ダメ...お願い、見ないでクラウド...」
「ティファ...ティファ!いいのか?」
「んんんっ!」
クラウドの目元を覆う手はたやすく払われ頭上へと絡め取られる。目尻から透明な雫が数粒零れ落ちると同時に、背がたわみ波打ちだした。
「あっ!あああっ...あ!!!...」
どこか遠くで響いたかのように錯覚する自らの声を聞き遂げることはなかった。ぼんやりと宙に浮かんでいた意識はおもむろにベッドに着地する。
(今、気...失ってた?)
ぐっしょり濡れたままの身体から鑑みるにそれは一瞬であろう。一連の流れに呆気にとられていたクラウドは、彼女の身に何が起こったのかを悟り、一切の躊躇いを捨て硬さを増したそれで鋭く突いてくる。腰が痺れたままのティファは反射的に顎を跳ね上げた。
「やっ...んん!今は...ダメぇ、も...やめて...!」
コントロールの利かない身体に涙を浮かべた瞳が嘆願するが、対照的にクラウドの口元には行為中には珍しく笑みが浮かんだ。愛する人を淫らに踊らせることの出来るプックリ膨らんだ壁に「ティファ、ココなんだ...」とこれでもかと打ち付ける。容赦をやめた彼の前になす術もなく、昨夜はいつ眠りに落ちたのかも記憶していない。
クラウドと初めて肌を重ねて以来、激痛に耐えていた初期からは当然改善したが、昨日までのティファは前戯の方に快感が偏っていたことは否めない。とは言っても最近は彼を受けとめる行為にもじんわりと心地良さが広がり始め特に不満を抱いていた訳でもないのに、突然あそこまでなるなんて...
そして今日半日自らを苦しめる強い欲求の正体をそろそろ認めなざるを得なかった。でも...でも...!
(絶対に言えない!今夜もしたいだなんて!!)
両手で顔を覆い、有るまじき発想に身悶える。二人の暗黙のルールは一日おき、もしくは三日に一度。それでもやや頻度が多いと感じ彼を押しなだめる傾向にあるというのに、自分が快楽を覚えた途端、現金に態度を改めるなど奥ゆかしい彼女には土台無理な話であった。
「ティーファ?」
「ひゃあっ!」
膝の裏の柔らかい箇所をくすぐるように添えられた手に素っ頓狂な声が上がり、「ごめん、マリン!ぼーっとしてた」と取り繕う。その瞬間こそ目を見開いた彼女だったが、すぐさま愉快そうに小さな手が口元に当てられた。
「ふふ、ティファったら可愛い。クラウドのこと考えてたんでしょ?お顔が幸せそうだもん」
もしかしたら自分の一番の理解者である目の前の幼子はやはり鋭く、まさか思考を読み取られるはずはなかったが、そのピュア一色な瞳を裏切るいかがわしい脳内には背徳感しか沸き起こらない。冷や汗が背筋を伝ったその時、店の電話が鳴り響く。昼時にしては珍しい発信者に、ティファは気持ちを落ち着かせるため一息置いてからそれに手を伸ばした。
身の回りの装備品を外した途端ドカっと乱暴に置かれた丼に、最後の防具であるゴーグルも取り払う。露わになった火照った瞳と頬からは熱があるのではないかと疑われるが、行きつけの定食屋には彼の微細な変化まで気が回る輩は一人として存在しなかった。クラウドは大きく肩で息をつき、バイクを走らせながらも始終頭を付きまとって振り払えない事件を思い起こす。あれは...
(イったよな、間違いなく俺ので...)
“俺の” という箇所にとりわけ語気を強め、クラウドは箸を持つ手を固く握り肩を震わせる。やっ...
(やったぁぁああああ!!)
今までもティファは甘い声を漏らすことはあったけれど、おそらく俺が得ている快感までには程遠く、一人勝手に快楽に浸っているのではという虚しさがあった。一方で彼女と床を共にするようになって大分経つのに、飽きが来るどころか俺は日に日にあの身体の虜になっていく。彼女が女性として最も成熟する年齢に向かっているせいか包み込んだ肌はとろけるかの如く柔らかさを増していく一方だし、回数を重ねるほど感度も上昇していた。そこに来て今回のアレである。家出が解消されてからの二人の関係は精神的にも良好で、それも作用したかもしれない。
スタミナ丼ぶりを口に掻き込んでいるとまさかの反応をし始める下半身に仰天し、クラウドは慌てて前の席に陣取る髪の薄い親父が頭部に浮かべる汚らしい汗を見つめ精神統一を図る。そして断られて駄目元と、店を出たら一本電話を入れる決意をした。
「おい、勘定だ」
とっととしろと言わんばかりの威圧的な態度でテーブルを拭いていた店の倅を呼びつける。気の弱そうな彼は、相変わらず怖えな、この人...と慌ててレジまで引き返した。少年よ、安心したまえ。強面のこの男の脳内は店内で誰よりもピンク色である。
通話を終え受話器をコトリと置く。短い連絡事項、その端的な内容を頭の中でループさせるうちに乱れた心は平穏を取り戻していく。
“ティファ。俺、今夜帰る時間が読めないんだ。でもなるべく頑張るから、寝ないでいてくれないか?”
“寝ないで待ってて” は恥ずかしがりな彼が常用する精一杯の誘い文句であった。しかもいつも以上に熱っぽく、くどいくらいのはっきりとした言い回しでそれは言い放たれた。なんだ...
(クラウドもしたかったんだ...)
「ティファ、注文いい?」
「はいっ!」
カウンターの内側で百面相を繰り広げていた店主の満面の笑みに吊られ、同世代の女性客も笑い出す。
「何?何か良いことでもあったの?」
「ふふふ、絶っっっ対に内緒!」
「なぁに、それー?」
一見微笑ましいやり取りであったが、取り巻きの男性客達はもう何度目になるかわからない生唾を飲み込んだ。桃色に上気した胸元に潤んだ瞳、切なそうに伏せられた睫毛に唇から気怠く漏れる吐息...
(ただならぬフェロモンを感じる...)
(な、なんか色っぽいな...今日...)
(バージンな訳ないよね、グスン...)
その手の話は冗談にさえ一切乗らない、隙も垣間見せない潔癖な彼女はそれが人気を博している一因でもあったが、謎の深まる一方の夜の生態に、想像するだけは勝手と男達の妄想は今日も止まらない。
Dying to DO! 2、に続きます。