Minority Hour
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Annual Special ~後編~
Annual Special 前編の続きです。
Annual Special ~後編~
「おい、死ぬかと思ったぞ」
「ごめん...」
なかなかの剛腕である恋人が首につけた赤い痣をさすりながら文句を述べる。水中に沈められしこたま海水を飲み込んだクラウドは、部屋のベッドに足を投げ出し小休憩中だ。
「でも、意外と泳げるじゃないか。また特訓しに行くか」
悪戯っ子のようにティファの手首を掴むクラウドに「嫌。クラウドどうせまた意地悪するもん。砂遊びでもするよ」とティファはそっぽを向く。その選択が招く事態を想像して、クラウドは一気に不機嫌になった。
「...絶対に嫌だ」
「なんで?」
都会とは異なる香りを運ぶ海風、直射日光を浴びてヒリヒリする肌、他のカップルに混ざり二人きりでいる状況に、発言はいつもより心持ち開放的になる。
「他の男に見られたくない」
「それ」とティファの格好をチラリと見やるが視線は背けたままのクラウドに、彼女は覗き込むようにして笑顔を見せる。
「それじゃあ私、外に出られないじゃない」
「いいだろ、出なくたって」
「あ...!」
再びティファの手を捉えたクラウドが力を加えたせいで彼女はバランスを崩し、ベッドのスプリングがギシっと派手な音を立てる。それを合図にするかの様に二人を纏う空気が色を変えた。
こんなに日の高い内から彼女を求めても軽くいなされてしまうに違いない。躊躇うクラウドを差し置き、先手を取ったのはティファだった。湿り気を帯びた男物の水着に手が付きそこに体重が乗せられ、仄かに潮の香る唇が重なり合う。
しばし軽く触れ合うだけだったそれは一度は離されるが、再び角度を変えて、今度はもう少し深くクラウドの唇を濡らした。驚き目を見開いたクラウドも当然抵抗をする訳はなく、大人しく瞼を閉じると露わになっている背中に手を這わせ始める。
「あっ、ダメ!」
その手がジワジワと下方に進路を変えたのを察し、ティファは慌てて唇を離す。ほら、やっぱりな。警官に銃を突きつけられた暴漢の如く降参のポーズをとるクラウドは落胆の色をありありと浮かべた。しかし、先程より赤みの増した唇が次いで紡いだ逆転劇に、心は歓喜の叫びを上げる。
「今日は、私がしてあげる」
チュっ、チュっという音を伴い首筋に、耳たぶに、鎖骨に繰り返される口付けに、胸に乗っかる濡れてややひんやりとした重量感のある膨らみに、はぁ、と息が漏れた。気付けば完全にベッドに倒れ込んでいたクラウドは、脱力し彼女の舌が目的地を這い易いよう喉を上向ける。
「俺は触っちゃ駄目なのか?」
両手は臨戦態勢を取ったまま、彼女の腰から10cm程の空中に不自然に浮いていた。
「うん、ダメ」
「なんでだよ」
「力が抜けちゃうでしょ」
耳元で囁かれた言い訳に、単純な男であるクラウドはいとも簡単に納得して彼女を許してしまう。
(どこまでしてくれるんだろ...)
目下に繰り広げられている光景に、ゴクリと生唾を飲み込んだ。肩を掠める黒髪にくすぐったそうにしている内は余裕があったが、上半身にキスを落とすティファの手が臍の下を通り過ぎ、布の上から怒張し切った自身を包み込んだ時、全身はピクリと揺れる。
再びクラウドの唇まで戻ってきたティファの舌は、それを彼のものに深く絡め合わせながら右手で本格的に刺激を与え始め、重なり合った互いの口から「んっ」と甘い吐息が漏れ始めた。
やがてティファの白く細い手がおずおずと服の中に入り込みそれを直接握った時、クラウドは彼女がよりスムーズにそれを行えるよう邪魔な衣服を惜しみなく脱ぎ捨てる。突如明るみに晒された雄々しいそれにティファは一瞬だけ怯むが、すぐに思い直すと愛おしそうに手を上下して愛撫を続けた。
「ティファ...気持ちいい。うん、そこ...」
彼女の指使いに腰砕けになりつつあるクラウドは、目を閉じたまま正直に感じるポイントを伝え、時には手を添えて図々しく自分好みにこねくりまわす。
「うん、もっと強く...そう、あ......くっ...」
クラウドが頬を上気させ感じるままに声を上げてくれるのが嬉しくて、ティファも知らずと息が荒くなる。彼の腿に押し付けている下半身が酷く熱かった。 たっぷりと弄ばれて透明な液体の漏れ出た頂にティファの吐息がかかる。
行為が始まった時から最も期待していたそれをじっくりと観察しようとクラウドは上半身を起こした。そしてその粘液が舌で丁寧に舐めとられた後、自らがゆっくりとティファの口内に収まっていく様子を瞬きも忘れ、見入る。それが彼女のうごめく粘膜にすっかり包まれた時、その温かさと狭さに思わずのぞけり大きく息が漏れた。
(明るいところでしてくれるの、初めてだ...)
毎回、という頻度で行われる訳ではないそれは男性にとってある意味行為自体より刺激が強く、クラウドも恋人と繋がり合うのと同じくらいそれをされるのが好きだった。頬を紅潮させたティファは、舌をまさぐり口の中いっぱいを占めるそれに懸命に圧をかける。時折空気が入り込むいやらしい音が部屋中に響き渡った。
「ティファ、ストップ」
想定より行き過ぎた動きにクラウドは慌てて彼女を制す。
「出ちゃいそうだ」
だから、そろそろこっちにバトンタッチをしてくれ。顎に手を当て顔を上げさせる。潤んだ瞳は一瞬トロンとクラウドを見つめたが、すぐにそれは元の位置へと戻される。
「いいよ、最後までしてあげる」
「!!」
そこまでを期待していなかったクラウドはあからさまに狼狽した。どんな男でも持っている願望には違いなかったが、愛する女性に対して行うには心無い自分よがりな行動に思えた。だけども動きを再開させるティファに強く抗うことは不可能で、理性は自らを最も弱くする摩擦にあっけなく身を委ねていく。
「あっ!駄目だ、もう出る。ティファ...!」
自制の効かなくなったクラウドは、堪らず彼女の口の中に自分からもピストンをしてしまう。
「んっっ!!!」
背筋を貫く、いつになく長い放出感。先ほどの紳士的な配慮はどこに姿を消したのか、気付けば我も忘れて根本をしごき彼女の舌の上に余すことなく出し切ろうとしていた。
(まだ出てる...)
そんなクラウドを最後まで丁寧に舐めとってくれるティファのいじらしい姿に見入りながら、心の奥底にある男の自尊心が満たされていくのを感じる。
(き、気持ち良かった...)
彼女の顔に嫌悪の色が一切浮かばなかったことにも嫌でも己惚れてしまう。
「ん...」
口元を押さえるティファの喉が舌の上のものを押し流すために波打ったのを見て、意識が遠のきそうになる。ぼんやりと霞む脳裏に、普段の自分は彼女を気遣い何らかのセーブをしてきたことを自覚した。でも、もう今日はちょっと無理かもしれない。彼女の積極的な行いは、クラウドを開き直らせるには十分余りあるものだった。
「あっ...!」
両の膝の裏に手を当て、太ももを大きく開かせ組み敷く。人差し指の先でショーツの上から裂け目を緩く辿り、その湿り具合を確かめた。そっと触れただけで光沢のある生地に糸が引き、クラウドは自分を喜ばせるために卑猥な言葉を舌に乗せる。
「ティファ、興奮したんだ?俺の舐めて」
クラウドを見上げる熱っぽい瞳は一瞬だけ揺めくが、この常夏の気候は彼女をすっかり壊してしまったようだ。
「うん...」
喉の奥で、吸い込まれた空気がクラウドにだけ届く微かな音を出す。
「早く触って、クラウド」
クラウドが頭の片隅にやっとのことで保っていた糸が、プツンと切れた。
角部屋に位置する寝室は程よく太陽光を室内へと招き入れる。隣家との距離が遠い上に大方の観光客はビーチに出払っているのか周囲に人の気配は感じられず、ただ二人の息遣いとティファを後ろから抱きすくめるクラウドの指先が紡ぐ水音だけが響いている。
(あ...つい...)
愛撫など一切されていないのに先程の行為ですっかり濡れそぼったそこは、充血した蕾を数回爪で擦りあげられただけでアッサリと達してしまった。彼女を立て続けに何度かイかせた後も、指は水着のショーツの中に留まり続け際限なく溢れ出る愛液をクチャクチャと音を立て掻き混ぜる。
一度果てたばかりの彼は、今すぐにでも使い物になりそうなモノをお尻に押しつけてくる。彼女の中に侵入する機会を虎視眈々と狙っているかの様に尖ったそれに、ティファも自分の身体が本能に従い彼を向かい入れる準備を整えている事を感じ取る。
クラウドさえ満足させれば十分なはずだった。しかしティファは、エッジから遠く離れしんと静まり返った南国の密室に自覚する。階下にふと上がった物音に、もしくはこちらが漏らした声に。もし聞こえたら、万が一見られたら...普段は無数の懸念に支配されている自分。
この数年、クラウドの手により順調に開拓されてきた彼女の身体は最近中で達する快感を覚えさせられて、時には意識さえも押し流すその途方もない程度に戸惑いを隠せない。それの前には自分を保つ事は不可能で、結果大きく上がってしまう声に、その絶頂は彼女が心の底から気を許した機会にしか起こらなかった。
一方で、抑止をしたまま行為を終えた後に襲われる一抹の物足りなさ。一度その味を知ってしまえば、どんなに元来の性格が控えめだろうが、女である限りそれは脳の中枢に刻み込まれる。そしてその願望はひっそりと、だが着実に心の内に育っていく。もしもそのストッパーを外してしまったのなら...
(どうなっちゃうんだろう...)
今日が終わればちゃんといつもの自分に戻るから、今だけは... それが彼を歓ばせることに直結するという事実に後押され、再び押し寄せてきた高ぶりに身を委ねるがままにしてみると、自分でもビックリするぐらいの甘い声が飛び出る。
「あっ...ん、クラウド。私、また...」
「うん、いいよ。イって」
トロトロの中にも慣れた手付きでそこをピンポイントに探し当てるクラウド。入口を浅く出入りしていた指先は再び上方にスライドし、直接当たるように花びらを開かれて間も無く、艶めかしい声を上げてティファが背中を仰け反る。息を荒げながら、クラウドはその様を恍惚と眺め続けた。
「はぁ、はぁっ...んっ...」
我慢しないと、こんなにあっという間なんだ...それに、声を気にしないせいか快感も深い。余韻に浸り浮遊感に漂う身体を彼に預けると、ふと沸き起こる違和感。下はこんなにもされているのに、彼はまだ上半身には触れてくれない。焦ったさに、そっとブラトップのホックにかかった手をクラウドが制す。
「ティファ、着たまましたい」
予想外の主張に思わず安堵の笑みを漏らす。先日既に手渡した本命の贈り物と同時に新調した水着は、彼への追加の誕生日プレゼントだった。
「クラウド、気に入ってくれてたんだ?何も言ってくれないんだもん...」
「気に入らないわけないだろ」
下着より手触りの良い生地感を楽しむように、クラウドは通常は拝むことの出来ないそれの表面を手のひらで堪能する。
「でも、胸は見せて」
鎖骨までスライドされた中指は、両の細い肩紐を二の腕まで落とす。
「自分で脱げるだろ?」
耳元でその先を促すクラウドは、先程ティファがとった貴重な行為を目ざとく見過ごさない。やや時間を取りつつも、ティファは自らの手で身体に張り付いた布をずり下ろし、全てが見えるようはだけさせた。
「すごい。真っ裸よりエロい...」
たまらないといった風に、クラウドはその日焼け知らずの双丘に指を埋め力強く揉みしだきだす。ホックで支えられたままのそれは重力に負けない芸術的な形を維持していて、上向いた乳首は波打ち彼を淫らに挑発する。
背後からの視野ではもどかしく、クラウドはティファの身体の向きを変えると目の前に姿を現した深い谷間に顔を埋めた。そのまま固くなった頂きに交互にしゃぶりつく。そして、そろそろ限界を感じティファを押し倒すと自らの腰に彼女の秘部をグイと引き寄せた。
そこでベッドに肘を突いたティファの無言の抵抗から彼女の希望を察し取り、クラウドは体勢を改め自らを仰向け、手を握り彼女を上に向かい入れる。寝具で身体を覆い隠すことの出来ないその体位にいつもの彼女は最も緊張するが、同時にそれは女性が理想通りの刺激を得られる唯一の繋がり方だった。
ティファの手がショーツの隙間へと彼を誘導する。何も纏わずに直接彼女の中に入る許可を得たことを悟り、クラウドは高揚すると共に自らを襲うであろう強い刺激に身構えた。自分の角度を知っているティファは、円滑に彼を招き入れていく。
「はっ、はっ、あっ...ん...!」
頭上に踊る身体に見とれる余裕を保っていられた時間は短かった。瞳を閉じて、頬を真っ赤に染めながら淫奔に腰を打ち付けるティファ。その官能的な姿に、今度こそ自分がリードをと目論んでいたクラウドは再び押し流されそうになる。嘘だろ...二回目なのに...
堪えきれず、肉付きの良いお尻に指を埋め律動を無理やり止める。
「自分で動けないと、ちょっと...」
それにナマだし、視覚的にもヤバい。何より、そもそも今日のティファは色々とヤバい。次々と並ぶ御託が情けなかったが、彼女の慎ましやかな振る舞いにより普段の自分は随分と容赦をされていることを改めて認識する。
「ダメ、止めちゃ。私、もう少しで...」
細い指を少し開いた唇に当てて瞼を伏せ、ねだる愛らしい仕草に頭を殴られたようになる。男はコレを絶対に断れない。
「すっごく恥ずかしい。でも、今日は...私もたくさん気持ち良くなりたい。クラウドと一緒に...」
頬を両手で包み込み、涙の滲んだ瞳を閉じたままクラウドの方を見られないティファがとどめを刺してくる。
「こんな私...嫌?」
「そんなわけない...大歓迎だ」
“もう少し”
その言葉を信じて覚悟を決め、彼女の動きに合わせ下から応戦する。
「いいよ、ティファ。好きなように動いて」
「んっ、あ!あ!!」
「...っ...いいか?」
「ん...クラウド、すごい...いい。そのままして...あ、きちゃう!」
押し寄せる波に眉を歪めた彼女が痙攣し始め、喉が弾かれ天井に上がったのを見届けると、腰を掴み勢い良く突き上げる。絶頂を迎え始めた彼女はその動きにたまらず身をよじり、ひときわ高らかな嬌声を発した。
「ああっ、あっ...あー!!!」
「出すぞ、中に...!」
一度目とほぼ変わらない量のそれを、最奥にたっぷりと注ぎ込む。やがて震える腕では自重を支えきれなくなった彼女からヌルリと抜けた。コポ...と音をさせ、白濁した液体がトロリと落ちた先は、信じられないことにまだ漲っている。
「はぁ、はっ、あっ、あっ...」
「あっ、あっ、ああん、あ...!クラウド!」
高めの天井に妖艶な声が響き渡る。二人が繋がり合う場所はベッドを離れ、今はキッチンに上半身をもたれさせたティファをクラウドが後ろから突いていた。クラウドの二本の指はティファの口内に深く潜り込み、一箇所だけでは足りないとばかりにそこもグチャグチャに犯す。
身につけていたはずの水着はいつの間にか上下共に取り払われ、もう一糸纏わぬ姿だった。驚くことに、極限までに敏感になった彼女はその後挿れられなくても胸の先に触れられたり、あるいは何でもない場所にクラウドが歯を立てただけでも達してしまった。
そしてもうすぐ再び訪れるだろうそれに備え、クラウドは目の前にたわむ細い腰が崩れ落ちる前にしっかりと支えてあげなければならない。五回を過ぎてからは数えるのはやめにした。果てては互いを舐め合い、挿入するを繰り返す。繋がりあっている箇所がハッキリと観察出来る体勢だったり、いつになくキツく締めつける大胆な姿勢で。
腰の打ち付けられている太ももには溢れ出た精液が伝っている。何度目かわからないそれが終わり二人なだれ込むようにベッドに身を投げた時、既に陽はとっぷりと暮れ窓の外は宵を迎えていた。
波打ち際や地平線、暗闇はあらゆる境界線を曖昧にするが、地を洗うような潮騒で夜の海は自らの存在を力強く主張する。軽食を取り、浜辺に置かれた簡単なテーブルに二人腰掛けた。闇夜に照らし出される火照った胸元に、先程までの出来事が夢ではなかった事を確かめる。
調子に乗ったままの指は、屋外にも関わらず彼女の膝をなぞったり風にそよぐ髪を捕まえたり、触れずにはいられなかった。何日か前にそれとなく要求した我儘を、彼女は精一杯叶えようとしてくれたのだろう。もうすぐ終わりを遂げてしまうこの夢のような時間。子供達の笑顔は当然恋しかったし、エッジでの日々は文句なく充実している。それでも、どうしようもなくやるせなかった。
「なぁ、ティファ。来年もまた来ようか?この時期に」
風向きの良いうちに次の確約を取り付けにかかったクラウドの鼻先に、クスクスと人差し指が押しつけられる。
「“一度でいい” って言ってました」
そんなこと言ったっけ?
クラウドは往生際悪くティファの肩を抱き寄せこめかみに口づけ、マリンとデンゼルには到底聞かせられない甘ったるい声を出す。
「忘れられそうにない。なぁ、お願いだ」
腕の中の彼女は表情を隠したまま考え込む。
「ごっ......」
「......ご?」
「五年に一度くらいとかなら...」
自分を一人取り残し、夜明けを待たずして夢から醒めつつあるティファに態度は自然と憮然となる。
「なら、今から部屋に帰ってもう一回する」
「クラウド!」
「私、もう...」と生真面目に顔を赤らめる彼女を掻き抱き、深く唇を重ね合わせた。遠くに人の気配がして腕の中の身体がピクリと揺れるが、意外にも彼女の舌は先程と同じように応えてくれる。残された時間一杯求め合っても飽くことのないであろう渇望に途方に暮れながら、寄せては返す潮の奏でに包まれて...恋人達はその日そこで、今までで一番長いキスをした。
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クラウド、お誕生日おめでとう!大好きだよ!!!
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