Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
prithee... 6
prithee... 5、の続きです。
イチャイチャ描写が入ります。
18禁です。
参考数値:裏度数【★★☆☆☆】
扉を開けると、背を向け座っていた彼女は振り向き、目を見開いた。
前より少し痩せたその姿。
だけど久々に見たあなたはやっぱり凄く綺麗で...
俺はもう、感情を抑える自信がない。
prithee... 6
「なぁ、なんでメール返してくんないの?」
隣りからの不平を無視してお弁当を開ける。
「......あのねぇ。
私ここに遊びに来てるんじゃないの。仕事しに来てるの。
四六時中メール打ってる訳にいかないの!」
「はーい」
休み時間につまみ食いをした彼のお昼ご飯は早くも半分以下だ。
それを見越し、最近お弁当箱を少し大きめに変えた。
「やっぱり美味しい、ティファのご飯」
案の定、遠慮なく海老フライをつまみ口に放り込む。
「でも、こっちの方が美味い」
「あ...」
首の後ろに手を添えられ、身構える。
「んっ...ティファ...」
「...っ......」
(最近の子って、皆こんなに積極的なのかしら...)
容赦なく絡みつく舌に力を失いつつも頭の片隅で思う。
青い空の下、コンクリートの開けた空間は、校内で私達が接触する唯一の場となった。
...a d c c b e...
(a d c c b e、と)
センター試験対策の答案を黙々と添削する。
(記述の方が楽ね~...)
50枚も片付けると、眼が霞んできた。
(でも、あと5枚!)
なんとか放課後の補講までに終わらせたい。
「ふぅ、終わった」
紙束を気持ち良く整え、飲み物を買いに席を立つ。
(そうだ)
鞄から携帯を取り出した。
予想通りそこには彼からのメッセージ。
しかし自動販売機の前で思考が止まる。
“早くまた、キスしたい”
(こんなの、何て返せばいいのよ...)
すると見透かす様に待ち受けは “メール受信中” 画面に切り替わった。
“早くまた、会いたい”
つい笑顔に変わり、今度は素直に返す。
“私も”
チュ...チュク...チュッ...
「ん...ね、ねぇ...ちょっと待って...」
「“ねぇ” じゃないだろ?」
「クラウド...............“君”」
後ろから抱きすくめたまま、プッと吹き出す。
「まだ呼び慣れないんだな。......可愛い」
再び唇が重なる。
包丁を握る手は先程から止まったままだ。
あれから数ヶ月。
家の合鍵は彼の元へ渡り、バイトのシフトが遅くない日は必ず現れる。
“同じの借りたの、何度目だ?
やっぱり報告し合わないと駄目だな”
2枚のDVDを見比べ、顔を見合わせ笑う。
一緒に外を歩けはしなかったけど、共通の趣味の映画鑑賞と、二人で夕飯を食べるだけで十分だった。
隣でジャガイモの皮むきに勤(いそ)しんでいた手はいつしか腰に伸び、後ろから無理やりキスが落とされ続ける。
しかし私達はまだ一線を越えてはいなかった。
「ティファ...少しだけ、触れたい...」
お腹の前で組まれた手が這い登って来る。
それを柔らかく押さえつけた。
「それ以上は絶対にしないよ、だから...」
違うよ、私も我慢出来なくなっちゃう...
......我慢?
彼への想いは確かなのに、私はまだ躊躇していた。
そこを越えてしまったら...
...もう、本当に取り返しはつかない。
「大丈夫だよ...焦ってごめんな?ゆっくりでいいんだ」
優しい眼差しに胸が痛む。
きっと彼は、拒むのを私が奥手なせいだと思ってる...
「でも、キスはいいだろ?」
「あ...!」
体の向きをグイと変えられ、正面からキツく抱き締められた。
喉仏が目に飛び込み、ドキッとする。
しかしすぐに顎を上を向かされ、唇が覆い被さった。
「ティファ、好きだ...。離れらんない...」
「ふ...ぁ、んっ...」
私も好きだよ、好きなのに...
熱い胸と腕、唇に包まれ脳裏が白くなる。
「そんなに身体、押し付けないで。抑えがきかなくなる...」
無意識にしがみついていた腕をやんわり引き離された。
「はぁ...」
濡れて少し開く唇から漏れる、湿った吐息。
私だけを見詰める、熱っぽい瞳。
服越しにも伝わる、硬く燃える身体。
きっと、そうなるのは時間の問題だ...
「え!?あの日、誕生日だったの?」
「そうだよ」
スプーンを口に運びながら平然と言われる。
「言ってよ、そういう事は...」
「言ったら何かしてくれたのか?あの時のティファが?」
「う...でも、“おめでとう” くらいは言ったと思う...」
「冗談だよ。あの日は会えて本当に運が良かった。
それだけで満足だよ」
穏やかに微笑む顔に思い当たる。
だって私はまだ誕生日ケーキのお礼をしていない。
「ねぇ、今からでもお祝いしない?」
「お祝い...って?」
「う~ん...何か欲しいものとか、ない?」
それとケーキぐらいしか焼いてあげられないけども...
彼は即答する。
「ある」
「何?」
身を乗り出すが次の瞬間、固まった。
「もうすぐ冬休みだろ?
二人で旅行に行きたいな、なんて...」
顔色を伺う彼は、私の表情に慌てて付け足した。
「いや!そういうんじゃないんだ。
部屋はもちろん別々で構わない。
ただ、旅先なら一緒に歩いたり出来るかなって...」
それは決まり悪そうに首筋を掻く彼の本心だろう。
私も気持ちは同じだ。
日々満たされてはいるが、堂々とデート出来るにこしたことはない。
「いいよ」
それに、一緒の部屋でもいいよ...
自分の誕生日だというのに、私にプレゼントをくれた彼が愛しくてたまらなかった。
予想通り、目の前の顔に花が咲く。
「これ、今年発売の本だぞ。電話して訴えようぜ」
それを丸めポンポンと手を叩く彼に合わせ、皮肉で返す。
「さすが片田舎ね」
「次の目的地が近くで良かったな」
気を取り直し、少し冷えた手を繋ぎ直した。
“とにかく不人気な所にしようぜ。
間違っても学生なんかが来ない様な”
パソコンの画面を見入り探した場所は、錆びれた温泉街。
だが部屋が埋まらないせいか値段の割に宿は良さそうだ。
ガイドブック片手に目当ての観光スポットへ向かい見つけた “昨年閉鎖” の貼り紙に、どちらからともなく吹き出した。
一緒に居られれば、何でも良かった。
「ん~、美味しい!」
「温泉と飯だけは立派だな、この街は」
浴衣姿の二人の隣には早くも布団が敷かれている。
気恥ずかしく思いつつも、食事を楽しんだ。
「一杯飲む?」
「こら、ダメよ」
「仲の良いご姉弟ですね。...それではごゆっくり」
襖を閉め去って行く女中の言葉が胸に突き刺さる。
そうよ、恋人同士に見える訳ないわよね...
“姉弟”
けれど外見の全く似ない私達。
そんな二人が手を絡め歩く姿に道行く人は何を思ったんだろう...
気付けば彼は、目を伏せ箸を持つ手を止めてしまった私の隣にいた。
そっと手を握り、訴える。
「ティファ、他人は関係ない」
「う、ん...」
「ティファは幼く見えるし、外見からじゃ何もわからないよ。
...ただ会話から適当に当てをつけただけだろ」
それでも明るく戻らない顔に、懇願するよう問いかけた。
「今日、楽しかった?」
「うん...」
「俺も楽しかった。なら、それで良いんじゃないのか?」
「うん...」
本当にその通りだと思った。なのに...
一瞬たりとも揺らがない彼の芯。
私はフラフラし続け、支えて貰うばかりだ。
踏ん切りたいのにままならない心がやるせなく、唇を噛み締める。
ゆっくりと引き寄せられ、肩にもたれ掛かった。
額に当たる温かい唇以外、何もいらない...
そのまま彼に抱かれた。
「ティファ...!...ティファ...!!」
熱にうなされた様に繰り返される声。
服の上からじゃわからない、鍛えられ引き締まった肉体。
「こんな綺麗な身体、見たことない...」
彼に既に経験があると知る。
沸き起こる、少しの嫉妬と褒められた事による感情の高ぶり。
「ティファ。俺、もう...」
瞳を歪ませ、苦しそうな声を絞り出す。
それが意味するところを悟り緊張が走るが、彼の勢いは止まらない。
足の間に体を割り入れて来た。
たっぷりと愛された身体は、その侵入を容易く受け入れる。
「ティファ!!」
「あ.........あっ...!」
彼が奥に落ち着く。
「は...ぁ......ティファの中、凄い...」
その言葉通り、私の中心で脈打つ彼。
モウ.........
.........アトモドリハ、デキナイ
滲む涙を悟られないよう、首に腕を巻き付け抱き寄せる。
気付けば私も彼の名を呼び続けていた。
微かに上下する胸に頭を乗せ、寝息を前髪に感じながら宙を見つめる。
身体を持ち上げ、薄暗闇にも映える髪の毛をふんわり撫でた。
視界がぼやける。
どうして7つも下に...
「どうして私の生徒なんかに、生まれて来たのよ...」
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