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Minority Hour

こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。

   

Present for Both


AC後ホワイトデーです。







欲張りだって、笑われるかな。

でも男ってそういうものだろ。

着飾った姿を見たいのは、いつだって自分のため...


Present for Both


大通りは賑わっていた。復興から二年が経ったエッジの街頭には華やかな装飾が施されている。軽快な音楽に身を委ねると、憂鬱な気分も心なしか和らいでいく。プレゼントをするのが嫌な訳では決してない。選ぶのが苦手なだけだ。

普段見向きもしないショーウィンドウに視線をやりながら歩く。ふと道端に構えられた、可愛らしいワゴンが目に付いた。中に積んである物は...

...マシュマロ?

“本当は好きなのよね、甘いもの。でも子供達の手前あまり買えないし、食べ過ぎると太るし...”

実は甘党というのも、我慢している理由も女性らしくて可愛いと思った。思わず一つを手に取り売り子に小銭を渡す。

「ホワイトデーが始まった当初は、女性への贈り物は白いものだったんですよ」

ラッピングの片手間に話しかけられる。小さな包みを手にそこを後にしたが、自宅へは向かうことなく通りを更に奥へと進んだ。

(これだけじゃ寂しいよな)

一ヶ月前に彼女から貰った手の込んだ贈り物を思い出す。

(白いもの、か)

ティファは白が似合う。それに、好きなんだと思う。服も白が多いし、食器もだいたいそうだ。だがヒントを与えられてもその先がなかなか決まらない。

(服...はサイズもわからないし、アクセサリーなら...)

それなりの物をあげたいが、たかだかホワイトデーに仰々しい物を贈っても恐縮されそうだ。

「あっ!すみません!!」

考えに耽(ふけ)っていると、小走りの女性と肩がぶつかってしまった。拍子に地に落ちた小ぶりなバッグを拾い、手渡してやる。

「ありがとうございます!」

相手は手早く礼を済ますと再び慌ただしく駆けていく。結婚式か何かなのか、めかし込んだ格好をしていた。

(そうか)

その後ろ姿を眺め、ふとある案を思い付く。





「わ、可愛い!」

食べ物に対してその感想はおかしくないか?しかしお菓子を手に微笑む表情は滅多に拝めない新鮮なもので。小さな女の子のようにはしゃぐ姿につい顔がほころんでしまう。店の片付けが落ち着いた頃を狙い、お返しを手渡した。

「あれ、まだ何かあるの?」

マシュマロの下に隠れていた小さな箱に彼女は気が付く。包装を解くと、少し面食らった顔をされた。
気に入らなかったか?一瞬不安になったが、すぐに目の前の頬は色付き表情も華やいだ。

「...ありがとう、嬉しい!ビックリした。お菓子だけかな、と思ってたから...」

両手で愛おしそうにそれを弄ぶ仕草に偽りはなさそうで安堵する。ふと気づくとカウンター越しに上半身を乗り出し、からかう様な視線を投げてくる。

「クラウド、コレ買うの大変だったでしょ」
「そうでもないさ」

強がってみる。やっぱり勇気を出して良かった。

「ねぇ、クラウド」
「ん?」
「なんで髪留めだったの?」
「...うん」
「“うん” じゃわからないよ。でも...」

「なんとなく、わかったかな」

見透かした様に笑われ、照れ臭く視線を逸らすが否定しはしない。
早ければ明日の朝には見られるかもしれない。彼女にあげた、俺のためのプレゼント。


******************


クセがないからまとめる必要はなさそうだけど、たまには見たいティファのアップ。
今年のホワイトデーは白いもの×2で。


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