Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Calling 5 (fin.)
Calling 4、の続きです。
階下に響く、彼がシャワーを浴びる音。
その日はいつもと違い、待ち遠しくは思えなかった。
Calling 5 (fin.)
「この前言ってた人ね、お店来なくなったから...」
何があったかは伝えなかった。
私だって、彼が誰かから告白された話なんか聞きたくない。
頭をタオルでガシガシ拭いていたクラウドが振り返る。
一瞬、何のことかわからなそうにするが、すぐさま得意気な顔で「うん」と、濡れた頭もそっちのけに身体を寄せてきた。
後ろから腕が腰に回り、首筋に唇を感じる。
「...っ...ごめんなさい。
今日は.........ちょっと...」
拒んだのは初めてだった。
きっと彼は驚いた顔してる。
ゆるゆると外されていく腕。
怒ってる?
しかし、「平気だ」と言い彼は私の頭を撫でる。
「安心した」
“安心”?
あぁ、あの人の事か。
「寝るか」
その後は取り立てた会話もなく、二人ベッドに横たわった。
いつも通り、私に腕を貸してくれる彼。
本当に言葉の少ない人ね。
彼が部屋に来てから発せられた、たった四つの短い発言を反芻(はんすう)する。
“平気だ”
本当はそれだけじゃないんでしょう?
反射的に、私が一番傷つかない言葉を探してくれるクラウド。
(スッキリしました)
羨ましい。
偉そうに言ったけど、実は私、全然解決なんかしてないんだ。
(いい加減な事、言わないで!!!)
その言葉に反して、私はどうして泣いてしまったの?
あれはクラウドへの裏切りだ。
疑いたくない。
信じたい...
疑ったまま、愛したくない。
無意識に、言葉が口をついた。
「...私は、居た?」
「...ん?」
身じろぎし、少し頭を持たげるクラウド。
「クラウドが家を出た時...」
「教会に居た時......」
「私は、クラウドの中に......ちゃんと居た?」
暗闇にハッと息を飲む音。
動きを止め固まる彼。
やがてゆっくりと口を開く。
慎重に。間違いのないように。
私に向けて、というよりは、あの頃の感情を思い出すかのように。
「会いたくて...」
「会いたくて......」
「.........毎日が、辛かった」
我慢はしなかった。
剥き出しの彼の肩が、みるみるビシャビシャになるのがわかったけど、それくらいはいいでしょう?
だって、私ずっと...
ずっと...
その日彼は、やっと私の元へと帰って来てくれた。
入り口に現れた三人の客を見て、顔がほころぶ。
共通の友人って、やっぱり最初見たあの人だったのね。
少しバツの悪い顔をする彼もいた。
しかしそれはやがて、はにかんだ笑顔に変わる。
そして顔はすぐに目の前の彼女へ戻された。
今度は彼女と目が合った。
幸せなんだね。
わかるよ、私も同じ女だから。
...ね?
言った通りだったでしょ?
Fin.
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