Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
We wanted it to be a surprise!
拍手を取り換えました。
11' Tifa 誕です。
窓から差し込む、柔らかい日差し。
一年で一番、好きな季節。
We wanted it to be a surprise!
...日差し?
ハッと目を開く。
しまった。今何時?
慌てて枕元の目覚まし時計に手を伸ばす。
...やってしまった。
実に半年ぶりの寝坊。
日曜日でまだよかった...
そう胸を撫で下ろし、昨夜の出来事を思い出す。
『今夜は遅くなる』
電話の向こうの声に落胆した。
しかし、次に耳に入った言葉に喜びを隠せない。
『待っててくれないか?』
彼がそんなことを言うのは初めてだった。
その言葉通り深夜に帰宅した彼は、私の姿を確認すると、いつもの「ただいま」もよそに私をかき抱き、そのまま何度も私を愛した。
私の名前を繰り返し呼びながら。
普段とは違う彼の態度に戸惑いながらも、その情熱的な様子に頭の芯がとろける。
今朝の寝坊はそのせいだろう。
でもまさか目覚ましまで止めてしまうなんて...
隣に彼の姿はない。
とりあえず、朝ご飯をサボってしまった事を皆に謝らなくちゃ。
急いで着替え、部屋を出る。
まずは子供部屋
次にクラウドの部屋
リビング
お店
なんで...
「なんで誰もいないの?」
誰か何か言ってたっけ?
私があんまりにも遅いから、三人で遊びに行っちゃった?
「一言くらい声掛けてくれればいいのに...」
置き手紙らしきものさえ見当たらない。
呆れられちゃったの?
そう肩を落とし洗面所へ向かう。
まだ顔も洗ってない。
蛇口を捻りいつもの手順を踏もうとすると、石鹸の上にある小さなカードに気が付いた。
‘おはよう、ティファ
フライパンの裏だよ’
この字はわかる。お兄ちゃんの方だ。
彼は難しい漢字を背伸びして使うのが好き。
しかしなんのことだろう?
そのカードを手に取りそれを裏返す。
‘I’
と書いてある。益々わからない。
府に落ちないままキッチンへと向かう。
‘いいてんきでよかつたね!
つぎはクラウドのベッドのした’
ああ、また小さな「つ」が大きくなっちゃってる。
後で言わなくちゃ。
そのカードの裏には‘T’、と書いてあった。
そんなカード遊びをゆうに十回以上繰り返し、私は一階と二階を行ったり来たり。
時には脚立を引っ張り出し。
そうかと思えば次は埃まみれ。
家の中だけならまだしも「フェンリルのミラー」なんてものまであった。
いったいいつまで続くの?
さすがにくたびれてくる。
少しの苛立ちを感じながら、次の指定場所「キッチンの戸棚の中」へ向かった。
きっと新手の悪戯ね。
昔似たようなやり方でデンゼルにまんまと騙され、机の中から飛び出た蛙に悲鳴をあげたことを思い出す。
完全にからかわれてるわ。
もう次で最後にしてやるんだから!
そう勢いよく戸棚を開けると、そこには今までの小さなカードではなく、綺麗にリボンを巻かれた花束と、少し大きめなカードがあった。
ハッと手元に溜まったカードを裏返す。
このアルファベットを並べると...
目にじんわりと涙が浮かぶ。
すっかり忘れてた。今日は私の...
‘今ケーキを選んでる。食材も買った。
腹減っただろうけど、作るなよ。
二人が張り切ってるからな。
11時には帰るよ。
p.s. 目覚まし止めてごめん。’
愛する家族に会えるまで、あと10分。
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内緒で誕生日の準備をするため、ティファには朝寝坊してもらうことに決めた三人。
目覚ましがなくても早起きなティファをどうやって寝坊させたかは、もちろん子供達には秘密です。
タイトルは、“ビックリさせたかったんだ...” そんなところ。
なんにせよ、おめでとうティファ!
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