Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Jelly × Jelly V
リバース。闘技場でクラエア v.s. ヴィンティ。
クラ→ティですので安心してお読みください。
クラ→ティですので安心してお読みください。
Jelly × Jelly V
ゴールドソーサーのエントランスに掲げられた見慣れない看板を目敏く見つけ、エアリスは駆け寄った。内容を一読すると満面の笑みでクラウドの腕を引っ張る。
「ねぇねぇ、クラウド。見て見て!マッスルコロシアムで男女ミックスマッチ開催!女性にはポーション10個と10,000ポイントのハンデあり!だって!!」
女性へのハンディキャップがいかに我々に有利に働くかをクラウドはすぐさま理解する。戦闘能力が劣る女性に配慮をしてのハンデであろうが、目の前のチームメイトにその気遣いは不要だ。
「それは...いいな」
容易に優勝賞品が狙えるだろう企みにクラウドはほくそ笑んだ。
「でしょ?一緒に、出よ?」
「ああ。エントリー、頼めるか?」
「うん、行ってくる!」
エアリスが駆け出すと、数歩後ろで黙り込んでいた男が珍しく口を開いた。
「ティファ、我々も共に出るか?」
唐突な提案にティファは面食らうが、すぐに大きな瞳を輝かせた。
「本当?楽しそう!私、しょっちゅうバレットと組んでるからガンマンとは戦い慣れてるよ」
「...え?」
盛り上がる二人の横でクラウドが小さく声を漏らすが、ティファもヴィンセントも彼を一瞥するのみだ。
「よろしく。...お願いします」
「敬語はいらない」
「...いや、それはダメだろ」
握手を交わす二人に、クラウドは今度はやや強引に割り込んでくる。
「クラウド、お前にとやかく言われる筋合いはない。早くエアリスの元へ行ってやれ」
「クラウドはエアリスと楽しんできて!優勝は渡さないんだから」
ティファは力強くガッツポーズを作る。ヴィンセントはそんな彼女に微笑みかけると「優勝は約束出来ないが...」とさりげなくティファの手を取った。
「ティファには傷一つつけさせないと誓う」
キザな言い回しに動揺したティファが慌てて視線を足元に落とす。そんなティファの姿を見たクラウドは血の気を引かせてよろめいた。
「クラウド...」
その様子を見ていたヴィンセントは厳しい語調でクラウドに耳打ちをする。
「私がどうしてもエアリスと組みたいと言っている、と伝えてきても良いぞ」
「今追いかければまだ間に合うが...どうする?」屈辱に震えるクラウドだったが、相手の方が何枚も上手だった。苛ついた所作でヴィンセントに背を向けるとクラウドはコロシアムの受付へと向かう。
「ティファの楽しみを奪ったわけだからな。きちんと埋め合わせをしろ」
クラウドはとどめの一発にぴくりと動きを止めるが、無言のままその場を後にした。ヴィンセントはクラウドを見送ると盛大な溜息をつく。
「哀れだな。ああまでされないと気付かないとは」
「嫌だなぁ。私、そんなに顔に出てた?気にしてないつもりなんだけど...」
「いや...どちらかと言うと、過去の自分と重なった。...それにしてもお前は寛容過ぎる」
...この人って何歳なんだろう?年齢はともかく、血も涙もなさそうな、旅の仲間達に一切の関心を払わない性格が上書きされたことにティファは笑みを溢す。少なくとも、なかなかの恋愛経験者であることは明らかだった。
「悪意はないのがわかるもので」
だが、言った直後に重苦しい感情がティファにのしかかる。間接的とはいえエアリスとクラウドの時間を邪魔したこと。そしてその重みをクラウドが全く理解していないであろうことに気が重たくなった。
「気を回してくれてありがとう。でも、今はクラウドと一緒にいたくない気分」
「ならばどこかに隠れて、しばし懲らしめてやればいい」
「だね」
マントを翻しエアリスの元へ向かうヴィンセント。そんなことを言いつつも、私はきっとクラウドを許してしまうのだろう。それは...諦め?ううん、違う。なんだかんだであのツーショットが好きで、クラウドの気持ちを疑っていないから...
気持ちに落とし所をつけると、ティファは笑顔を取り戻し向かうべき方向を定めた。
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