Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Only an actress 〜後編〜
Only an actress 前編、の続きです。
Only an actress ~後編~
“昼過ぎに客が来る” そう伝えられたティファは来訪者の名を知ると「マリンに教えてあげる?」と問うが、これまでの流れを鑑みるにそれは危険な気がした。
「いや、二人だけで会う」
「そう」
半ばやけっぱちに床の上のタイヤだとかを蹴って脇に寄せ、部屋に一応の通路を作る。ティファは机を拭いてくれていた。
「彼女、何しに来るの?」
「何の用事もないのに来るそうだ」
「へぇ...」
憤りを隠さない声で説明する。何を企んでいるのか知らないが、今日面倒が起こるならあの客は見切りをつければいい。方針が固まると多少気が和らいだ。
ふと振り返ると、無表情のティファが正面に突っ立っていた。口を開こうとした瞬間、胸をトンと押され軽くベッドに尻餅をつく。迫り来る異様な気迫に、俺は言葉を発せないままだ。
「え...」
そのまま俺の膝の上に乗り上げた彼女は迷わず自らの唇を俺のものに重ねてくる。すぐに舌も入り込んできた。いつになく大胆な勢いで繰り返されるそれは徐々に深さを増していき、何が何だかわからないまま、気付けば自分も舌を積極的に絡め返す。遂には互いを吸い合うまでエスカレートしていき、昼間にしてはいやらしい水音が部屋中にこだました。
「!!」
ティファが俺の手を取り豊満な胸の上まで連れていく。瞬く間に頭がカッとして、下半身に一気に血が集まりだした。服のボタンが弾けるぐらい乱暴に前をはだけさせ、下着の中に強引に手を差し入れる。
ティファが欲しがってるんだから...
最強の免罪符を得た俺はいつになく奔放にその膨らみを揉みしだいた。下着を捲り上げ、硬さを増していく先端はもちろん、先程から繋がったままの甘い香りの立ち込める唇の奥深くを堪能しながら。そうこうするうちに、階下に物音がした。
「お客様、来ちゃったみたい」
うん...俺はもう人前には出られないから、ティファから断っておいてくれ。腹痛でも何でもいい。ティファだって、もう止まれないだろ?
熱を帯びた瞳で訴えたつもりだったが、濡れた唇を拭い彼女は乱れた着衣を手早く整えだす。
「私、部屋に行ってるね」
......は?
そして颯爽と立ち上がると扉の向こうへと消えていった。
.........え?
「おい」
一連の騒ぎを即刻で終わらせた俺は怒りを露わに自室に籠っていた彼女に詰め寄る。だがそれに気圧されないティファは、鏡台を整理する手を飄々と止めない。
「もう終わったの?」
「当たり前だろ」
あんな状態で部屋に入れる訳にもいかず、扉の前で突っ返した。しばらくの間ヒステリックな金切り声が響いていたが、岩と化し何とかやり過ごす。
「どういうつもりだよ」
後ろを向いたままの腕を掴み立ち上がらせると、ベッドに無理矢理押し倒そうとする。だがティファは肘を曲げ、素直に言うことを聞いてくれない。
「彼女、私とは間逆のタイプだね。クラウドがああいう人が好みだとは知らなかった」
「はぁ?何の話だ?」
「綺麗って言ってたもん」
「そんなこと言ってない」
「マリンに言ってたよ?」
「あ...」
あれか...
「あ、あれは...マリンの手前どうしようもなく...。その...嘘だ、嘘」
「へぇ、嘘ついたんだ」
不敵の笑みを浮かべ、ティファは逆に俺に跨る。
「嘘付きには、お仕置きしないとね」
店の開店にはまだ余裕があるが、そろそろ子供達の下校と次の配達が気になる俺は、形勢不利と判断し態度を下手に改める。
「出来たら、気持ち良い方がいいな...なんて」
「気持ち良かったらお仕置きにならないと思うけど」
「ティファだってちょっとはモヤモヤしてるだろ?」
「ううん、私はもうスッキリしちゃったみたい」
まさかこのまま生殺しにする気か?満面の笑みに絶望し、なりふり構わずみっともない声を出す。
「その...良い方だったら、もう嘘つかない。絶対に...」
「う~ん、どっちの方が効くかなぁ...」
腕を組み考え込むティファに心中問い掛ける。おいティファ、これは天然か?演技か?突如開花された秘められた才能は今の状況には甚だ迷惑極まりない。最後には、身体の下で彼女も感じているだろう自らの下半身の変化を盾にする。
「おい、営業妨害だぞ。このままじゃ人前に出られない」
当然他の代替手段は色々とある訳だが、悟られまいともっともらしく主張する。自らのお尻で押し潰しているそれを冷たく一瞥すると、方針の定まったらしいティファは俺の胸板に体重をかけ押し倒す。
「じゃあ、二度と私以外の人に目移りしないようにしてあげる」
だから目移りなんかしてないって...いつになく煽情的な台詞に背骨に電気を走らせつつも、クラウドは目の前の笑っていない瞳に一抹の恐怖を覚える。性格の良し悪しに関わらず、女は多少なりとも怖い。そして普段はとても優しい心の持ち主である自分の恋人は、おそらく女性の中でも結構怖い。
始終彼女のリードで施された官能的な折檻に身悶えながらも、今後ティファを、特に女性絡みでは決して本格的に怒らせまいとクラウドは固く心に誓うのだった。
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