Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Dying to Do! 3 (fin.)
Dying to Do! 2、の続きです。
Dying to Do! 3 (fin.)
(殴らなくてもいいのに...)
クッキリついた手形を隠すため頬づえをつき、クラウドはのどかな休日をカウンターに座り同じ姿勢で過ごし続ける。昼食後にユフィが訪れたが、ティファの反応を見るに前々から予定された来訪だったようだ。
「ティファ、本当にいいの?」
「...もう三名で予約取ってあるから」
「相変わらず自制心、強っよ~い!...ストレスで逆に太ったりして。キシシっ」
キっと睨むティファなど意に介さず、「お駄賃、プリーズ!」と手のひらが差し出される。「ハイハイ」とその上に数枚の札が乗せられた。会話の流れが読めず、「何事だ?」とクラウドは眉をしかめ振り返る。裏手通りに数ヶ月前オープンした人気のケーキ屋に、ユフィと子供達は今から満を持して乗り込むらしい。
「ああ、あの行列が出来てる店か」
ここ最近の謎が解けただけで満足した彼は本日の定位置に戻る。甘い物の食べ放題には当然一ミリも興味はない。
「おらおら~チビどもさっさと用意しろ!待ちにまった『エッジ名物 ケーキビュッフェ@スイートパラダイス』大人:2,000ギル / 小人:1,000ギル ※二時間制』の時間だよん♪」
二階に向かい叫ぶユフィは、真後ろに瞬間移動してきた無表情の男に思わず仰け反る。
「今の、もう一回言え」
「『エッジ名物 ケーキビュッ...「違う、時間のところだ」
「...二時間制」
(二時間...)
エプロンを身につけながら夕食の食材を吟味し、「今日は晩ご飯食べてくれないだろうなぁ」とティファは苦笑する。ゆらりとその背後に忍びより、腰の後ろで蝶々結びをしようとする動きを制し両肩に手を添えた。
「ティファ、今からしたい」
せっかく機嫌が直りかけていたティファは欲望丸出しの雰囲気のない直球にイラっとする。
「...夜まで我慢して」
「だって、今夜だって邪魔が入るかも!」
「子供達のこと、そんな言い方...!」
強い批難を孕んだ眼差しに、勢いあまったとはいえ独善的な発言にハっとし、クラウドはすぐに「ごめん...」と態度を改めうなだれる。今のは決して許されない類の暴言だった。
長きに渡るすれ違い生活をみすみす延長させんとする愚かな自分に嫌気が差し、「どうかしてた、頭冷やしてくる」と背を向ける。だが一歩足を進めた際、背後のシャツがツンと引っ張られ、体が後ろに斜めった。ティファは指先の力を強めるとおでこを背中に当ててくる。
「ちゃんと、キスからしてくれる?」
そこで初めて気付かされる、不機嫌の真の理由。俺は本当に自己中心的で、いつだってこうして彼女が譲歩してくれるから二人の関係は崩れ去らずに済むんだ。
「今朝のことも、ごめんな...」
今度は俺が勇気を出し、彼女を腕の中に優しく包み込む。そしてこめかみに、頬に、耳たぶに、次々と唇を落とし始めた。耳の中を息と舌でくすぐりティファの声色が変わったのを確認し、ようやく唇を味わいだす。
しばしの間表面をついばまれて十分潤った唇を開き、舌の先端同士を擦り付け合ったり互いの唾液を啜ったり、そうする内に奥から望む息遣いが聞こえてきた。
「んっ...は...」
「ティファ...」
二の腕に指が食い込んでくるのに気付き、上階まで連れて行こうと口付けを中断すると、ティファの身体が急速に冷え固まる。「ちょっ、ちょっ...ちょっと待って!」と俺を押しやると、風の様に扉の向こうへと消えてしまった。ポツンと取り残され、途方に暮れる。
(なんだ?どうした?)
数分の後、戻ってきたティファは壁に背を貼り付けたままこちらに来ようとしない。雲行きの怪しさを感じ取り、伸ばした手が彼女に到達する寸前だった。
「あの...えっと、始まっちゃったみたい...」
婉曲的な言い回しに、読み解くのに数秒を要する。「ごめんね...」悪くもないのに謝りだす彼女と対照的に、俺の頭はそこまで物分かりが良くない。まごつく両肩に手を置き、先程と同じポーズで懲りずにデリカシーのない発言を繰り返す。
「まだ始まったばかりなら、平気なんじゃないか?」
ティファは「むっ、無理よ!始まったばかりとかそういう問題じゃ...」と驚愕する。
「ティファ、前に言ってたじゃないか。“二日目が一番辛い” って」
「クラウド!」
独り言のつもりだった愚痴を無駄に記憶している俺に辟易しながらも次に彼女が差し出した折衷案に、ひとまずのところ手を打つ。
「く...口でしてあげるから」
こぼれた髪を耳に掛け直しながら、クチュっと水音をさせて繰り返される上下運動に腰が震えだす。「んっ...」と漏れた甘い吐息と共に一段と奥深くに送り込まれた。そこで舌が敏感な裏側を絶妙になぞってきて、こちらも堪らず声を上げる。
次に唾液をたっぷりと滴らせたそれを手でしごきながら、下方にも舌を這わせ満遍なく愛そうとしてくれる。カーテンを閉め薄暗い中にも白くクッキリと映える細い指が似つかわしくないものを握り締めている様をじっと見入った。
(また上手くなってる...)
俺が馬鹿正直に反応を示すものだから、元来優秀である彼女の物覚えは早い。控えめなティファであったが、俺を喜ばせるためには健気に身体を張ってくれて、狡猾な俺はそれを益々喜ぶ。再び粘膜の内側にすっぽりと収められ、密着して吸い付くような最も達しやすい動きが施された時、流れを断ち切るためにも悪あがきをする。
「ティファ、上だけでも脱いで」
「あ...」
躊躇う彼女は着衣の裾にかかった手を制しはしない。現れた下着もすぐさま取り払い、行為を一時中断させ落ち着きを取り戻す意味でもそこの愛撫に集中する。久々で感じ易くなっているのだろうか、ちょっと弾くだけでビクっビクっと跳ねる上半身に息が荒がってきた。これじゃ、落ち着くどころか...
遂には押し倒し、両手で思うままそこを弄り、唇に含み舌先を硬くして熱心に刺激する。露骨に過激さがエスカレートしている流れに、ティファは俺の額に手を当て押し返す。
「っ...クラウド、私はいいから...」
その口を唇で塞ぎ押し黙らせ、舌で激しくかき乱す。スカートのウエストにかかった指にティファは目を見開き、声を発せないまま抵抗してくる。
「ん!んんっ...!!」
自己最高記録である禁欲期間を更新中の俺はそれでも衝動を抑えきれず、上を抵抗もなく脱いでしまったティファも悪い、なんて明後日の方向の開き直りまで始まった。
「ティファ...ティファ!今日はどうしてもしたい...ティファと!」
「クラウド、ダメだってば...あっ!」
俺の本気の力に敵う訳はなく、ショーツごと一気にずり下ろした。「シーツ汚しちゃう...」涙ぐむ彼女の腰の下に脱ぎ捨てたシャツを敷くと、指は問題なくぬめる裂け目に差し込まれていく。
「やだ、やだ、見ないでクラウド...」
「ティファの血は見慣れてるんだ」
「そういう問題じゃっ...ないっっ!」
もはや本降りになってきた涙に悪いと思いながらも、その非日常的な香りにさえ煽られだした俺は自身のモノを握りとうとう割り入ろうとする。
「やっ...!入っ...!!」
それを最後に、彼女は肩を震わせ続けるのみで、その時間中言葉を発することはもうなかった。
夜更け、今夜も脇にそっと滑り込んできた姿にマリンは寝惚けまなこで「ケンカしちゃったの?」と顔を曇らせる。顔にかかった髪をよけてやる女親は、暗くて表情は伺えないが声調は優しい。
「とっても仲良しよ」
その声の主の嘘を見抜くことが大得意である彼女は、「うん!」と元気良く返事をし、再び深い眠りへと落ちていく。むしろ、仲良くし過ぎたというか...マリンの側でまた邪な思考をしてしまったとティファは軽い咳払いをして猛省する。クラウドは今朝も目を血走らせて世界各国の天気や交通情報のチェックに入念だった。
「ティファ、明日から全国各地はどこもかしこも晴天だ」
どんな反応を期待しているのか知らないが、輝く朝日を浴びながら子供達の前で平然とそれをやる彼に、「先週もいきなり崩れたんじゃなかったっけ」とティファは素っ気ない。殴っても、効果は一瞬だったみたい...
喉元過ぎればなんとやらの単細胞であるクラウドは、現在訪れている絶好の機会に手元に溜まった配達物をせっせと消化中で、その単純で明け透けな態度にティファはもはや笑いしか込み上げてこない。そういえば、ちょっと前まで自分も彼に抱かれるのを待ち遠しく焦がれた時期があった訳だけれども...
(あんなんで良くなれるわけないじゃない、バカ...)
繊細な女心をものの見事に台無しにしてくれた彼が五日ぶりに寝室を共にした際に紳士の振る舞いを取り戻してくれる可能性は低く、ムードもへったくれもないクラウドに自分はまた一歩譲ってやるに違いない。
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何故タイトルを更新順に並べてくれないのとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、一応下に行くほどティファのレベルが上がってくる仕組はただの自己満足です。ハイ。
Dying to DO!=めちゃくちゃ、シたい!
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