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Minority Hour

こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。

   

Secret Frame lV

Secret Frame lll、の後日談です。
ザクエア生存パラレルです。


Secret Frame lV


「ほぉんと、男って信じられない!」
「ね、気が知れないわね」

憤慨気味のエアリスに肩を寄せクスクスと相槌を打つティファ。噂の種にしているのは先日四人でダブルデートをしていた際に上がった話題だった。

“二人って付き合ってどれくらい経つっけ?”



「もうすぐ一年、かな?」
「う、うん...」

照れ臭そうに隣に合意を伺うティファにクラウドも頷いた。「エアリス達はもっと長いよね?」という質問返しに「ティファとクラウドったら、ず〜っとモタモタしてるんだもん」とエアリスも楽しげにザックスを見やった。どことなくそわそわするクラウドに、大人しく耳を傾けていたザックスが耐えられず喉の奥から笑いを漏らし始める。

「コイツさ、五年も六年も前からティファのこと “彼女”って呼んでたんだぜ」

そっ...それを今この場で蒸し返すか!?
若気の至りによる愚行をサクッと暴露され「...否定しなかっただけだ。そもそもザックスが勝手に彼女って決めつけて...」としどろもどろ弁明するクラウドは隣席に向ける顔がない。そんなクラウドにエアリスがすかさず追い討ちをかけた。

「あら、私と初めて会った時、“ティファって彼女?”って聞いたら、“そんなところだ” なんて言ってたじゃない」

ティファの知らないところで好き放題言っていた事を洗いざらいバラされ逃げ場を逸したクラウドはとうとう言葉を詰まらせ、小さくなって「ごめん...」とティファに頭を下げる。あんぐりして目を見開いたティファは「はぁ...」と呆れ返す言葉がない。当時の二人の関係性を思えば信じがたい発言である。

「ティファが可愛いから...つい見栄張りたくなって...」
「かっっ...かわ...!って...でも、記憶が戻る前でしょう?」
「記憶があろうがなかろうが好みなんてそう変わらないだろ」

「可愛いものは可愛い」臆面もなく言い切るクラウドにティファの顔がボッと火を噴く。真っ赤に赤面し彼らだけの世界に入り込む幼馴染カップルを横目に、エアリスはやれやれと肩をすぼめた。普段ザックスとのイチャイチャっぷりに目のやり場がないとか苦情を言ってくる二人のやり取りこそ、彼女に言わせれば目に余るものがある。

「ザックスだって昔からエアリスのこと彼女って呼んでたじゃないか」

兄貴分達が結ばれた時期にも違和感を感じたクラウドが反撃に出る。「...あの頃は付き合ってなかったわよね?まだ」ジトっとした目で詰め寄るエアリスに「でっ...でもイイ感じだっただろ?クラウド達とは訳が違うっていうか...」とザックスはたじろぐ。

「思い出した。そう言えばご両親にも “ガールフレンドが出来ました”って報告してた?アレってまさか、私のこと!?」
「まぁまぁ。“ほぼ” 彼女ってことで」
「...おかしくない?ソレ」
「“俺もあまりにもエアリスが可愛いから見栄張りたくて...”」
「棒読み、嬉しくない!!」

クラウドの台詞をそのままおうむ返しにされ思わず声を荒げた。時は現在に戻り、ムカムカする出来事に頭を巡らせているエアリスの傍らで思い出し笑いをするティファはとんでもない事を言い出す。

「でもちょっと可愛いかも、なんて思っちゃう」
「ええ!?付き合ってもないのに彼女呼ばわりなんて、ただのアブナイ奴よ!名誉毀損よ!!」
「もちろんクラウド限定よ?それに私も好きだったし...別に良いかな、なんて...」

...また始まった。無自覚な惚気を見せつけられ、エアリスはつい友人をいじめたくなる。

「“ああ、勘違いしないで。私とクラウドは単なる幼馴染よ。何でもないの” な〜んて、どの口が言ったんだったかしら?」
「もう!意地悪!!」

時を経てようやく素直になれた唇をチョンとつつくエアリスに、ティファはくすぐったそうに身をよじる。どちらからともなく肩をぶつけ合い先を行く二人の軽やかな笑い声はいつまでも止む事はなかった。


******************


こんな未来があっても良かった。


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