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Minority Hour

こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。

   

無償の権利 4. Denzel 


無償の権利 3. Marlene、の続きです。








好きな台詞があるんだ。


友達の、「デンゼルって大人だな」

クラウドの、「強くなったな」

でもとっておきはやっぱりティファからの...


「頼りにしてるね」


かな。


無償の権利 4. Denzel


ティファとマリンには秘密だけど、クラウドからこっそり習ってるものがある。

剣の使い方とか、基本的な体術とかだ。

何で秘密かって?
ほら、マリンはアレだ。おしゃべりだからな。
言ったらきっと、お店のお客さん皆に広まっちゃう。

知って欲しくないのは、ティファなんだ。


「戦い方を教えてくれ」

そうお願いした時、クラウドはすぐさま言った。

「ティファから習え」

剣を振り回してモンスターを倒すなんて、もう流行らない。
ならば、人を殺める可能性の低い格闘技を護身用に習えって。

「剣にこだわってる訳じゃないんだ。
クラウドだって、それなりにできるんだろう?格闘技。
俺はクラウドから習いたいんだよ」

俺は食い下がった。

「ティファは強いぞ?何が不満なんだ?」

怪訝な顔のクラウド。

言いたくなかったけど、この際しょうがない。
ここだけは譲れないんだ。

「ティファが強いのは知ってるよ。
でも、俺が強くなりたい理由は、マリンと...ティファを守ってあげたいからだ。
だから、守ってあげるはずのティファから習うのは...なんか嫌だ」

ティファよりずっと弱い癖に、偉そうなこと言ってって呆れられるかな。

しかしクラウドは、見透かした様に少し意地の悪い笑みを浮かべると、「わかった」とだけ言った。

それ依頼、俺達は近所の空き地で「修行」を続けている。
サッカーボールを忘れずに持って。

「何も嘘つくことないんじゃないか?」

クラウドは、正直者だしな。

「だってティファって、俺がティファから習いたくないって知ったら気にしそうだろ?
ティファは世の中には、女が入り込めない “男の世界” があるってこと、全然わかってない」

クラウドは珍しく吹き出した。


学校の友達は、悪い奴らじゃないけど...正直子供っぽい。
使えれば何でも良いのに、わざわざ高い金を親に出させて、お揃いのペンケースを集めてたりする。
俺はそういうのはもう卒業したんだ。

だから、そういう時は言ってやる。
少し冷めたように。

「世話になってる身だし、俺はやめとくよ」

「お前って、なんか凄いな」

そう言われるのが気持ち良い。


前に友達の家に泊まりに行った時、運悪くセブンスヘブンがかなり混んだ時があった。

「よっぽど電話して、帰って来て貰おうかと思ったわ」

ティファ、後でティファからそう言われた時、俺は内緒で心の中でガッツポーズしたんだよ。

ティファはいつも言う。

「あら、平気よ?」
「遊んで来たら?」
「宿題、終わってる?」

本当は、そう言われる度に悔しかったんだ。


今はまだ、店の手伝いくらいしかできないけど...
いつかはWROみたいな立派な仕事に就いて、もっともっとカッコイイところを見せるんだ。
店の酔っ払いを俺の拳で撃退したら、ティファはなんて言うだろう。
今から楽しみで仕方ない。




早く大人になりたいよ。
もっと頼りにされたいんだ。
クラウドみたいにさ...




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