Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
無償の権利 3. Marlene
無償の権利 2. Cloud、の続きです。
苦手な台詞があるの。
「親元離れて、大変だろう」
「苦労してるのに、良い子だねぇ」
そして...
「マリンちゃんは、お父さんに似てないなぁ」
無償の権利 3. Marlene
私はあんまり悩まない方だと思う。
言いたいことだって、ハッキリ言う。
だから、しょっちゅう黙っちゃうティファとかクラウドを見ると、不思議になる。
でもそれは、私が小さい時からずっと、幸せだったからかもしれない。
知らんぷりしてるけど、デンゼルは夜中たまに泣いている。
詳しくは知らないけど、ティファとクラウドも、両親がいない。
前にクラウドからお願いをされた。
「お母さんはいいけど、ティファにはお父さんのことは聞かないであげてくれないか?」
どうして?って聞いたら、ティファの目の前で殺されちゃったからだって。
その時は、なんだかすごく聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気分になった。
黙りこんでしまった私を気にして、クラウドはこうも言ってくれた。
「それでも、いつか笑って話せる日が来る。
だから、ティファから話してくれるのをゆっくり待とう?」
そういう私も、自慢じゃないけど、周りから同情されたり、褒められたりするのは本当にしょっちゅう。
でもいつも思うの。
そういうの、 “なんか違う” って。
何が違うんだろう?
考えてみた。
確かに本当のお母さんはいないけど、気づいたら、もういなかったもの。
私はいわゆる “失う辛さ” を知らないんだと思う。
小さい頃からいつも側には父ちゃんがいた。ティファがいた。
そして二人は今もいる。クラウドもデンゼルも増えた。
だから、私は、すごく幸せ。
そんな私も、全然悩まないかっていうと、そうじゃない。
それは父ちゃんのこと。
ちゃんと確かめてないけれど、私は...父ちゃんの本当の子供じゃないかもしれない。
前に父ちゃんに、マリンは父ちゃんと死んじゃったお母さん、どっちに似てる?っ聞いてみたことがある。
「...母親にそっくりだ」
父ちゃんは、子供の私からみても、ウソをつくのがヘタだ。
マリンは、お父さんに似ていたの?
それにね。
学校のね、友達から聞いちゃったの...
...父ちゃんみたいな黒めの肌のお父さんからは、マリンみたいな真っ白な肌の子は生まれないって。
だからおかしいって。
それでも私はそんなことは気にしない。
私の一番は、何があっても父ちゃん。
顔も知らない本当の両親とか、今更言われても、困る。
でも、よくわからないよ。
もし血が繋がってなかったなら、父ちゃんはどうして私を育ててくれたの?
実の子供じゃなくても、本当に可愛いの?
本当は、マリンは父ちゃんの “お荷物” なんじゃないかな...
前にティファから、ピアノを習わないかって言われたことがあった。
本当は習ってみたかったけど、いらないって言った。
後悔もしなかった。
むしろ、よく我慢したって、自分を褒めてあげた。
マリンに沢山のものをくれる父ちゃんに、何かお返しがしたかったから。
自分ではすごく良い事をしたつもりだったのに、断った時のティファの悲しそうな顔が忘れられない。
私、何か間違ったことしちゃったのかなぁ?
もしかして、私が素直にうんって言ったら、皆が楽しくなったの?
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