Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
Oh, Captain! ll
シド+クラウドであり、クラティ要素は皆無です。
Oh, Captain! ll
ベッドの上に置かれた小さなそれにシドは貧乏ゆすりを抑えられないでいた。気を落ち着かせようとライターに火をつけ一服やる。大きく吸い込んだ息を吐いた後、改めて目を馳せたそれは...女性物の下着であった。
艶のある純白のシルク生地、面積の狭い華奢な作り...シンプルであれどなかなか際どい布切れに、人並みに女性経験を積んできた彼も目を血走らせる。そして恐らく洗濯を介して紛れ込んだであろうショーツに対する推測に再び頭を巡らせた。そう、これの持ち主は一体誰かという問題である。
エアリスの姉ちゃんはもっとこう...フリフリ〜っとしたような...女っぽいっつーか。んでもってユフィはガキっぽい水玉だとか下手したらまだ綿パン...なら、やっぱりティファか?アイツ、真面目ぶっといて服装だけは過激だからな...悶々と勝手なイメージを展開させる男はムシャムシャと短髪を掻きむしった。
「あぁぁああ!!決め手がねぇっ!!!」
一番の有望株であった女性に夕食の席でふっかけてみたものの、進展には至らず終いだった。夕食時、ティファの正面の席を陣取るシドは標的に狙いを定める。ケっ!純情そうな振りしてこんなちっこいパンツ履きやがってこの女が!お陰でこっちは夜も眠れねぇじゃねぇか...
“あ〜あ、誰かさんが迷惑な無くし物したばっかりによ...”
“...?”
没収を避けるための遠回しな物言いにティファはきょとんと首を傾げるのみだ。当然正直に白状するとは思わなんだが...それともティファじゃないのか?彼女が見せた肩透かしな反応に推理は白紙へと戻される。八方塞がりに煮詰まった気分を切り替えようと狭苦しい部屋を後にした。
「おい、ナナキ。ヴィンセントの奴どこ行った?」
「う〜んと...アッチ!」
鼻をクンクンとやり、バレットに方角を示す嗅覚の鋭い獣に妙案が閃いた。
「おう、お前のそれ...随分と便利だな。ちょいと俺のために一役買ってくれや」
洗濯後であろうと何のその、人間の必需品と称された布を一嗅ぎしたナナキは迷わず進路を見極める。そしてとある扉の前まで案内すると、ここ掘れワンワンとばかりに振り返り尻尾を振った。お手柄なしもべを褒めちぎり、その場から追い払うとシドは咳払いをしノックをすべくドアに手をかけた。
「...何か用か?」
だが中から現れた人物の性別に顎を外す。あのワンコロ、間違えやがったな!?顎をはめ直し血相を変えるシドの手からひらりと何かが落ちた。
「それ、どうして...」
震える手でビキニパンツを指差すクラウドに耳を疑い、シドはゆっくりと首を正面に回した。「お ま え の か?」仲間からの寒々しい眼差しを軽蔑のそれと勘違いしたクラウドは慌てて弁明をする。
「ちっ、違うんだ!これは例の、その...女装の件で...」
暗に自らが所有者と認める発言に心臓に毛の生えた三十路男の声が震える。
「まままままさか...お前コレ、履いてないだろうな?」
シドが何を恐れているかに気付き、クラウドも顔面蒼白となった。
「まままままさか...だって女装には関係ないだろ?服の下に何履いてようが...」
わざとらしい口調にシドは脚力を失い地に膝をついた。どうしてこの青年は...こんなにも嘘が下手なのだろう...
「お、おぇえ...」
「うげ...」
脳内が阿鼻叫喚の図で埋め尽くされた憐れな男子達に吐き気が襲いかかった...
「えぇー!?無理よ無理!タイニーブロンコ抜きで歩きでキーストーン探すなんて!!」
翌朝、とんでもない指令にエアリスは声を荒げる。体調不良を訴えるシドを除き壊れた小型飛行機を操縦可能な者はいない。
「ねぇ、クラウド。何とかならないの?」
広大な範囲の徒歩での探索はやらないよりはマシ程度だった。セフィロスを追う事に病的な程ご執心なリーダーにティファは助け船を請う。
「すまない。こればっかりは...許してくれ」
...どうしてクラウドが謝るの?
行く先々で何かと問題行動を起こす幼馴染が小さく縮こまる様をティファは白々しく睨む。さては、また何かやらかしたな?
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リメイクではスパッツみたいの履いてましたが、その下は...!
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