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Minority Hour

こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。

   

Short Short ll

Short Shortその2。結婚&お子様関連まとめ。


新婚の二人です。
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Darlingの自覚


日々の生活が今まで通りのため、晴れて夫婦となった自覚はさほどない。だが一切の変化がないクラウドよりは、ティファにはそれを体感する機会があった。一番大きいのは名前が変わったこと。

「ストライフさんとこは...」なんて世間話で振られると慣れなさにくすぐったくも、愛しい人と同じ所帯を持った事を実感しほんのり幸せに浸れたりする。

なので先日クラウドが照れながら伝えてきた、一見馬鹿げた要求をティファは笑い飛ばしはしない。聞けばシエラだかご近所の奥様だかの会話を聞き、ふといいなと思ったとか。

休み返上で半日がかりの仕事に出かけた主人を労おうと、ティファは夕刻玄関で上がった物音に夕飯を作る手を止め、エプロンをかけたまま足早に出迎えに赴いた。「いつでもいい」という要望に従い、少々ベタなシチュエーションでその呼びかけを実行する心積もりを胸に。

「お帰りなさい」

“クラウド”
幾度となく繰り返してきた挨拶の後半をこの度は封印する。

「あ...」

意識すればするほど恥ずかしさを覚える訳でさりげなくさらりと言おうと決め込んでいたが、いざ口にするとなるとなかなか勇気を有する。

「...あなた」

咄嗟に彼の首筋に顔を埋めてしまったティファは、クラウドの表情が見えなくて不安を感じる。だがそんな心配を余所に、細い肩はすぐさま一回り大きな体にそっと包まれた。

「なんか、本当に結婚したんだなって感じる...」

いつになく幸せそうな声に、ティファの胸にも熱いものが込み上げてくる。
いつかはすんなり呼べるようになるものなのかな?明日から元通りの呼び名になってしまうに違いないが、この呼び名を人生において少しでも多く発せるようにと、ティファは記念すべき第一回目の余韻を噛み締めながら願いを込める。


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(2019.1.17 旧拍手)





(旧作を再up) 妊娠中のお話です。
『She used to say...』、とセットになります。
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全部、つい最近までは出来なかったこと。

強がるだけが正解じゃない。

だって頼りにされて嬉しいのは、私も同じ。


I used to do...


「ティファ、どこに行くんだ?こんな遅くに」
「ん?すぐそこだよ。牛乳切らしちゃって...」
「...俺が行く」

裏口の扉に手をかけた私から鍵を奪い取り、クラウドは素早く外に身を滑らせる。闇に消えようとする服の裾を勢いに任せ捕らえた。

「ねぇ、なら...」
「なんだ?」
「一緒に行こう?」



『今日はどのくらい食べられた?何か欲しいもの、あるか?』

夕暮れ、いつもの電話。本日はカーム周辺を回っている彼のスケジュールは、さほどタイトではないはずだ。

『そうねぇ...あ、そうだ』
『ん?』
『ねぇ、クラウド。出来たら、今日は早く帰って来て欲しいな』



扉を開けると、椅子に腰掛けデスクワークをしていたクラウドは私に横目を馳せる。仕事机が運びこまれ、最近私達の寝室は少しだけ狭くなった。背後からゆるく腕を回し、清涼感ある男物のシャンプーの香りが立ち込める髪に鼻先を埋めた。腕に温かい手が乗せられ、そのまま後ろから頬同士を重ね合わせる。

「どうした?」
「何でもないよ、ただこうしたかっただけ」



「ティファ、こっち側歩けよ」

拍子に握られた手は繋がれたまま。整備された歩道に、ヒールのない靴。だけどその逞しい手に、半分身を預ける。

小さな命が、あなたにも守られたがってるから...


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赤ちゃんが出来て、少し甘える事を覚えたティファ。





(旧作を再up)
『I used to do...』のクラウドサイドです。
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全部、つい最近までは聞けなかった言葉達。

もっともっと、言って欲しい。

聞けば聞く程、力を貰えるから...


She used to say...


「ねぇ、クラウド」
「ん?」

わざとらしく新聞から顔を上げる。その呼び掛けは予測済みだったが、彼女の口から聞きたくて、つい気付いていないフリをした。

「棚の上のアレ、取って貰えないかな?」

数十秒前、彼女は上を見上げては脚立の仕舞われた収納に目をやり、それを何度か繰り返した後、俺の方に視線を向けた。 



「ん、充電完了」

風呂上がり、何の前触れもなしにそっと巻きついてくる細い腕。あっという間に解かれてしまうそれを、「待てよ」と引き止める。

「俺がまだ完了してない」



体温計の目盛りを一緒に覗き、おでこの温度を確かめる。頬も薄赤く火照っていた。こちらの視線に気付くとティファは小さな子供をあやすみたいな声を出す。

「大丈夫だよ、今日はお休みにするから」



「ほら、ティファ。かして」

買い物袋に手を伸ばすと返ってくる、心なし申し訳なさそうな...だけど素直な感謝の台詞。そしてどちらからともなく空いた手同士を絡め合う。少し目立ってきたお腹はまだ歩行を危うくさせる程じゃないけども...

一人で守るより、二人で守る方が安心だから。


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used to~=かつては~だった





赤ちゃんがお腹にいる時。
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まだ見ぬ君へ


「ティファ、男の子か女の子かわかった?」

留守番をしていた二人に検診の結果を伝えると、デンゼルが「やった!」と飛び上がった。その様子に顔をほころばせるティファは「もう耳が聞こえてるんだって。話しかけてあげて」と淡いブラウンの癖っ毛を撫でつける。

「おーい!お前、クラウドに似てるのか?」

ソファの上に腰掛けた大きなお腹に口を当て呼びかけるデンゼルにどきりとした。すっかり母親らしい顔付きへと変わったティファと異なり、まだ実感は湧かない。名も無き家族の一員を最もすんなりと受け入れたのはマリンだった。毎日お腹を撫でては日に日に揃えられていくベビー用品にも興味津々で、今や人形相手に抱っこやミルクを与える練習までしている。

「クラウド、動いてるぞ。触ってみろよ!」

たった今、一歩先を越された少年に促され恐る恐る手を伸ばす。ゴム毬のように柔らかく張ったそれに触れた瞬間、指の腹がポコっと内側から押された。想像以上の強さに面食らい、そしてふっと笑いが込み上げてくる。わかったよ。怒るなって。

「可愛いな」

自然と口を突いた一言に、お腹に張り付いていた二人は俺を見上げキョトンとする。

「な、なんか変だったか?」
「まだ見てもないのに “可愛い”って...」
「早くも親バカだな、クラウド〜」

手か足かもわからない小さなそれが力一杯腹を押し上げるいたいけさは他にどう表現していいのかわからない。目を数回瞬いたティファは照れる俺をふふっと笑うと「うん、可愛いね」と胸に頭をもたれてくる。その肩に腕を回し抱き寄せると、子供達も大人しくなり再び胎動探しへと戻った。

「ティファ、重くない?」
「んー、重くないよ」
「あ、でも赤ちゃんは文句言ってるみたい!」

今度は頬に当たった感触にマリンは嬉しそうに顔を上げる。女性達は生まれつき、デンゼルは弟の性別に、そして俺は蹴っ飛ばされてそれは一歩一歩現実のものとなっていく。胸に寄りかかってくる温もりを抱きとめる指先に今一度力を込めた。今度こそ穏やかに願う。早く、お前に会いたい。


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(2019.2.18 旧拍手)





二人の第一子は男の子。第二子の女の子がお腹にいる設定。
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Daughter Complex


「参ったな、男の子でもあんなに可愛いのに」

活発な動きを感じられるようになった腹をさすりウットリとする彼は早くも娘にメロメロだ。

「顔立ちはティファに似て欲しい。あと、髪もストレートは譲れない」

神が決める領域に首を突っ込み事細かに注文をつけ出す彼が次に言い添えた一言についムッとした。

「でも髪と目の色は少し違ってもいいかな、とも思うんだ」
「悪かったわねぇ、地味で」

そりゃあ、誰だって眩いばかりのブロンドにブルーアイで産まれてくるにこしたことはない。でも私の血が入ってる限りそんな理想通りにはいかないのよ?だがクラウドは深刻な面持ちで「違うんだ...」と表情に影を落とす。

「髪も目も一緒。声と背格好も同じ。全てがそっくりなんて事になったら...」

続いた揺るぎのない眼差しは冗談とは程遠い。

「...絶対に、嫁にやれない」

...ねぇ、血を分けた実の子よ?
神様が決めること。身分をわきまえていながらも、今日も元気一杯にお腹を蹴る我が子に少しでも多く彼の遺伝子が引き継がれていることを願わずにはいられない。


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(2019.3.15 旧拍手)





ティファ幼少期。のティファパパ&ティファママです。
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Daughter Complex ll


「ふふ、天使の寝顔」

子供部屋を覗いた後、階下にあるリビングへと降り立つ。今日は村落間の交流会で、隣町の村長宅へと遊びに行った。ティファはそこにいた同じ年頃の腕白な兄弟達とすぐに打ち解け、日が暮れるまではしゃぎ回る。帰りの車の中で一瞬で眠りに落ち、ベッドまで運んでも露とも目覚める気配がなかった。

「将来、お嫁に欲しいって言われちゃったわ」

何気なく呟いた発言に暖炉の前からの反応はない。茶を沸かす手を止め肩越しに背後を仰ぎ見ると、新聞を持った手はワナワナと震え出す。

「もうあの家には二度と行かん!!」

常日頃から娘の溺愛ぶりは肌で感じていたが、ここまで過剰反応をされると思わなかった。ところで我が子ながらティファはスター性のある娘だと思う。愛らしい顔立ちに加え同年代の子供達と比べ際立って長い脚。

スラリと伸びた身体に乗っかる小さな頭。心を鬼にして育てた甲斐あってか性格も擦れずに愛嬌のある彼女は村の誰からも愛されている。考え事に耽るこちらをよそに暖炉に照らされた青筋は浮き上がる一方だ。

「この御時世、何も結婚だけが女の幸せじゃない。ずっとここにいたって良い...「あ・な・た!」

「それはティファが決めることでしょう?」

常日頃は従順な妻が発した思いの外強い戒めに父親はしゅんと萎れる。

「お嫁の話は私が悪かったわ」
「うん...」
「まだまだ一緒に居てくれるから」
「うん......」

すっかりしおらしくなった大人の頭を撫でながら、そうはいっても可愛い我が子の未来の花嫁姿に思いを馳せる。仲良し三人組の内の誰かかしら?将来的には村を出て別の街に住む可能性だってあるし...

ふと心に浮かんで来たのはいつもティファの部屋を見上げている金色の坊や。「中に入る?」そう声をかけたら一目散に逃げ出してしまった恥ずかしがり屋さん。私は良いのよ、あの子を心の底から愛してくれる人ならば。小さな後ろ姿に心の中でエールを贈る。まだまだチャンスはあるからね?


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(2019.4.15 旧拍手)





第二子出産後。
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Perfect Answer


「女の子、か〜わいい!」

一丁前に母性本能は持ち合わせているようで、忍者娘は喃語を発する娘をあやし女児特有の甘い香りに目を細める。

「しっかしポンポン出来たね。いよっ、子作り名人!」

確かに籍を入れてからは順調に子宝に恵まれた。家の中の雰囲気はここ数年一気に様変わりをする。

「ねね、なんかコツとかあるわけ?ほら、タイミングとか...」
「い、いや...」

赤裸々な質問には動揺で声が上ずる。だがコイツももうティファが上の子を産んだ歳に差し掛かるわけで、そう考えれば何かしら思うところもあるのかもしれない。女の生態などとんと見識がないが、「そうだな、強いて挙げるなら...」と思い当たる節を探った。

「やってやって、やりまく...」

言い終わる寸前に背後から振り下ろされた肘鉄が綺麗に決まり、後頭部を押さえクラウドは悶え苦しむ。外出から戻ったティファは買い物袋を置くとユフィの膝で両腕を伸ばす愛娘を抱き上げた。

「下品で困ったパパでちゅね〜」

ユフィはいかがわしさなど微塵も感じさせない友人の麗しい笑みをまじまじと見つめる。へぇえ、随分と充実した夫婦生活を送ってるようで...

ティファの出産で知ったが半年あまり腹は目立たず、ほんの数ヶ月で赤子は一気に育ちあっという間に産まれてくる。二人目など気付いたら産まれていたくらいだ。再びペタンコに戻ったウエストを見つめハッと思い立った。さっきのクラウドの調子だと...

「...まさか、またいんの?」
「い な い わ よ」

幼子を小脇に抱えキッチンで鼻歌を口ずさむ姿は産後にも関わらず衰えるどころか前にも増し肌ツヤも良く色っぽい。なるほどね。手加減抜きの折檻に未だ隣で呻いている男が伝授してきた助言は、意外にも色んな観点で参考になる。


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(2019.5.15 旧拍手)



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