Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
LOVE☆FARM
山チョコボ、川チョコボ、海チョコボ!
ギャグです。
ギャグです。
霧の中、朝露に湿った芝生を踏みしめティファは欠伸を噛み殺しながら目的の場所へと向かっていた。既に開いていた入口に差し掛かると、その中に自分以上の早起き者の姿を認める。こちらの気配に気がついた彼はティファに手招きをした。
「見ろよ」
チョコ房内にしゃがみ込んでいるクラウドの指さした鮮やかな緑色に、ティファは眠気も吹き飛ばし歓声を上げる。
「わぁ、すごい!綺麗な色!!」
通常の黄色いチョコボが産まれては肩を落としていたクラウドは見るからに上機嫌だ。その蛍光にほの光る淡い羽を惚れ惚れと撫でつける。
「山チョコボが産まれたら、こう名付けようって決めてたんだ」
「なに?」
「クラウド」
「.........」
「なに?」
「クラウド」
「.........」
ま、まぁいいけど。頑張って育ててるんだし好きにすれば。ふと思いつき、ティファは子チョコボを抱き上げる。
「でもクラウド、このこ女の子みたいよ?」
「..........」
「..........」
その指摘にクラウドは目に見えてつまらなそうな顔をする。
「いいだろ、どうせチョコボは自分の名前なんか気にしないし」
「なっ、クラウド?」開き直って呼びかけた彼は、次の瞬間、一丁前にこめかみに青筋を浮かべた子チョコボから激しくキックを受ける。
「いててててててて!!!」
「ほら、やっぱり嫌なんじゃない。ちゃんと女の子の名前を付けてあげなさいよ」
「しょうがないな...じゃあ、今回はティファに譲るよ」
「ほら、やっぱり嫌なんじゃない。ちゃんと女の子の名前を付けてあげなさいよ」
「しょうがないな...じゃあ、今回はティファに譲るよ」
渋々諦めたクラウドの台詞に嫌な予感をさせるティファを他所に、彼は産まれたてのチョコボに対し改めて命名をした。
「お前の名前は、ティファに決まりだ」
「え、やめてよ勝手に...そもそも普通チョコボに人間の名前付ける?クラウドって、センスない!」
「え、やめてよ勝手に...そもそも普通チョコボに人間の名前付ける?クラウドって、センスない!」
畳み掛けるティファにムッとなるクラウドは、「じゃあティファが考えろよ」とやり返す。
「う〜ん...じゃあ、チョコとかは?」
「チョコボだからチョコって、あんまりだな。ティファの方がセンスないだろ」
「チョコボだからチョコって、あんまりだな。ティファの方がセンスないだろ」
「なぁ、ティファの方がいいよな?」ふざけた調子で耳の後ろをくすぐってやるクラウドに、チョコボは嬉しそうに目を細める。
「絶対に、嫌」
「でもコイツ、気に入ってそうだぞ?」
「でもコイツ、気に入ってそうだぞ?」
堂々巡りをしだした会話に、クラウドは名前の決定は後回しにし、話題を変える。
「次は川チョコボだな」
「まだあるの?」
「ああ。うまいこと水色のオスを作って、コイツと掛け合わせれば...」
「まだあるの?」
「ああ。うまいこと水色のオスを作って、コイツと掛け合わせれば...」
その計画が意味するところに気づき、二人はハっと目を見合わせ同時に顔を赤らめる。
「ね、ねぇクラウド...やっぱりその名前、やめない?」
「あ、ああ。そうだな、お前の名前はやっぱりチョコだ。わかったな?チョコ」
「あ、ああ。そうだな、お前の名前はやっぱりチョコだ。わかったな?チョコ」
しかし、最初の命名がすこぶる気に入ったらしい彼女は、慌てふためく二人の前で首を横に振るだけだった...
ウータイ近くのマテリアの洞窟を目当てに、ユフィはすっかり大きく育った山チョコボに跨った。今日もファームでチョコボの世話をしていたクラウドとティファは手綱をつけその準備を整えてやる。
「あ、そだ。ティファ「クエっ!!」昨日貸した敵の技のマテリア返してくんない?」
「あっ、いけない。うっかりするところだったわ」
「あっ、いけない。うっかりするところだったわ」
「はい」バングルから取り外したそれをティファはユフィに手渡す。
「ねーねーあとさティファ「クエェっ!!」今日の晩ごはん何?」
違和感を感じたユフィは、満面の笑みで自分を振り返る鮮やかなグリーンの怪鳥をまじまじと覗き込む。
「コイツの名前、何?」
「ティファだ」
「ティファだ」
クラウドは決まり悪そうに口元を拳で隠し早口で伝える。まさかね...恐る恐る、ユフィは厩舎(きゅうしゃ)の奥を覗き込んだ。
「あっちの青いのは?」
「...クラウド」
「...クラウド」
ユフィは顎を思い切り前に突き出し、目玉を飛び出させて言葉にならない「はぁ?」の口を作ったまま絶句した。
「ここまで重症だとは思ってなかった...」
「ちち違うの!これには深い訳があって...!!」
「ちち違うの!これには深い訳があって...!!」
しかし珍しく青ざめ血の気を失ったユフィは、目も当てられないといった風によろめきながらチョコボごと飛空艇に乗り込んでいく。ティファは頬を膨らませそっぽを向いた。
「なんでクラウドってつけちゃうのよ」
そんなこと言ったって、ティファを変な奴と結婚させる訳にもいかないだろ。クラウドは心の中でよこしまなような馬鹿真面目なような言い訳をする。その時、服の裾がチョイと下から引っ張られた。
「なぁ、クラウド。クラウドとティファの子供はどの実で作る?」
大人な二人はその場にずっこけるが、屈託のない顔は大真面目だ。クラウドは慌てて体勢を立て直す。
「ええと、大丈夫そうなのか?」
「うん!相性良さそうだよ。昨日二匹を同じ房に入れてみたんだ。クラウドは特にティファが気に入ったみたいで、ずっとお尻を追いかけ回してたよ!」
「それって...相性良いのか?」
「うん!相性良さそうだよ。昨日二匹を同じ房に入れてみたんだ。クラウドは特にティファが気に入ったみたいで、ずっとお尻を追いかけ回してたよ!」
「それって...相性良いのか?」
クラウドの表情は実に複雑そうである。
「チョコボのメスはとってもシャイなんだ、本気でキックし返したりしてなければ大丈夫。だからきっと、ティファもまんざらでもないんじゃないかな?」
もうやめて!再び竜巻の迷宮を彷徨うかの如く、ティファは自らの手で耳を塞ぐ。
「よし。じゃあもちろん、カラブの実だ」
「そうこなくっちゃ!」
「そうこなくっちゃ!」
惜しみない投資に優秀なブリーダーは飛び上がってガッツポーズを取り、「名前、新しく考えておいてね!」とチョコボの世話へと戻っていく。クラウドは咳払いをし、横目でチラリとティファを伺った。
「ティファ、子供の名前...」
「もう、知らない!バレットにでもすれば?」
「もう、知らない!バレットにでもすれば?」
その提案にクラウドはギョッと目を見開く。
「よせよ、縁起でもない」
今度はそれにティファがギョッとする番だった。
タコのように染め上がる男女を遠巻きに眺めるグリングリンは不思議でたまらない。チョコボのつがいに自分達の名前を付けるバカップルはたまにいたが、あの二人の事情はそれとは異なるようだ。唯一明らかなことは...
満足そうに新鮮な野菜を次から次へとついばむクチバシを慣れた手つきで撫でる。
満足そうに新鮮な野菜を次から次へとついばむクチバシを慣れた手つきで撫でる。
「お前のご主人様は、お前よりずっと奥手みたいだな」
「クエっ、クエェっ!!」
「クエっ、クエェっ!!」
元気一杯の雄叫びを高らかに上げた彼が想い人と結ばれる時は、主の恋が実る日より少しだけ早く訪れるに違いない。
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当然、皆チョコボにはクラウドとティファと名付けるよね?
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