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Minority Hour

こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。

   

touch me not


旧拍手。本編ギャグです。
初めてのゴンガガで、おっぱい星人再び。
クラウド変態化×2に要注意!







暗闇の中、仄(ほの)かに背中に感じるのは、自分のものとは異なる息遣いと体温。

眩しい...

ゆっくりと瞼を持ち上げると容赦なく差し込んできた直射日光に瞳は戸惑うが、それ以上に今自分が置かれている状況が把握できない事に不安を覚え、無理やり重たい目をこじ開ける。
確か、俺は寝てる場合なんかじゃなかったはずだ。

「...クラウド?良かった、気がついたのね!」

こちらを覗き込む、見慣れた顔に浮かぶのは穏やかな安堵の色。
周囲の静けさもあいまって、俺は少しずつ落ち着きを取り戻す。

「...ティファ?」

俺はいったい、どうしたんだ?

辺りを見渡そうと首を回したところ、頭は再び困惑し始める。
視界に飛び込んできたのは丈の短い黒いスカートと白い肌。
俺、なんでティファに膝枕なんかされて...

「あ、動いちゃダメよ!
そのままじっとしてて?まだ鼻血も止まってないし...」

慌てて跳ね起きると強引に元の姿勢に戻された。
後頭部に弾力のある太ももが押し付けられ、目が白黒する。

「クラウド、遠慮しないで甘えさせてもらえ。
それくらいして貰っても罰は当たんねぇと思うぞ」

少し離れた所から飛んで来た声の主はシド。
大樹の根に腰をついた彼は太い幹にもたれかかり大あくびをすると、俺様も少し寝るわ、とやがて豪快なイビキをかき始めた。
首をぎこちなく真っ直ぐに戻すと、そこには気まずそうに俺を見下ろす幼馴染の顔。

「本当にごめんね、クラウド...」

ええと、順を追って一から思い出そう。
とりあえず視覚から得られる情報は...丸くて白い腹、緑色の短い手足。

...そもそも俺は何で、カエルになってるんだっけ?


touch me not


森...と言うほど生い茂っているわけでもない、まばらな樹木。
一帯の生態系を支配するのはむしろ、一見虚弱な膝くらいまでの丈の雑草のようだ。
足元の水捌けは悪く、油断するとビシャっと音を立てる水溜まりや、そこを礎に繁殖する羽虫の大群が不快極まりない。

「人の通った後があるな...
これを頼りに人里まで辿り着けそうだ」

踏み潰された草の合間から覗く黄土色の土で成る、獣道の様なものに目をつける。

「おい、クラウド。お客さんだぜ!」

剣の柄に手を掛けたのと、シドが声を張り上げたのはほぼ同時だった。
物音がした草陰を睨み、モンスターの気配に身構える一行。
そしてそこに現れたのは...

...普通のものよりやや大きめなカエル数匹だった。

随分と間の抜けた来客に気が抜けるが、油断は禁物だ。
手前に陣取っていた俺は慎重に近くの一匹を斬りつける。
そいつは打たれ弱く、呆気なくひっくり返るとピクピクしたまま動かなくなった。

「コイツらって...モンスターなのか?」

「ただのカエルだったら...殺すのは可哀想ね」

仲間二人と顔を見合わせていると、戸惑っている隙に先ずはティファがやられた。

「えっ?いやぁ!!何!?」

パコっとカエルのパンチを受けた彼女の身体は、敵と同じものに変わっていた。

「おい、シド!気をつけろ!!こいつらヤバいぞ...」

「ゲっっ!!」

だが気を抜いて構えを崩していたシドも敵の攻撃にやられてしまう。

...マズイな。

俺がアレをかわし続ければ倒せない事もないが...
しかし手持ちのマテリアの種類とアイテム数を思い起こし、恐らく最善と思われる策を取る。

「二人とも!引くぞ!!」

「は、はい!」
「おうよ!!」

意思疎通を済ませると、俺達は奴らに背を向け一目散に駆け出し...

ビヨーン ビヨーン ビヨーン...

.........遅い。

後ろでモタついているカエル2匹に痺れを切らし、俺はそいつらをむんずと掴んで...

「きゃあ!!エッチ!!!」

次の瞬間、頬に衝撃が走り、脳の裏側にチカチカと星が舞った。
そして記憶はそこで終わりを遂げる事となる。




チチチ...という鳴き声とともに数羽の小鳥が太陽の中を横切る。
人からの情報がなかったら、こんな所に村があるなんてまず思わないような土地だ。

「次の町、近いんじゃないかなぁ。ほら、モンスターの気配も全然ないし。うん、きっとそうに違いないわ!」

「.........」
(俺をカエルにしたのは、ティファかよ!)

「...やっぱり、怒ってる?」

背を向けそっぽを向いている俺に、ティファはわざとらしく取り繕っていた声色を落として申し訳なさそうに聞いた。

「まぁ...少し...」

残すところあと二つだった回復アイテムは、意識のある人間から優先的に使われたようだ。
事の展開に納得のいかない俺の、片方の鼻の穴には不格好な詰め物。更にはズキズキと痛む頬に、喉に溜まった生臭い血。いや、そんな事よりもあんなんで...

俺は指先に吸盤のついた自分の手を見つめ、ワナワナと震える。

(あんなんで、触った扱い...!)

俺にはシドとティファの区別もついてなかったのに...

(確かに、これぐらいして貰わないと割に合わないな)

開き直った俺は仰向けになり、大の字でポヨンとティファの膝の上にふんぞりかえる。
すると視界は普段、あまり視線を当てないようにしているもので覆われた。
都合が良いのか悪いのか、ティファの顔は彼女がこちらを覗き込まないと見えない。つまり彼女にも俺の顔は見えていない。
それを良い事に、俺はいつになくまじまじと彼女の “ソレ” を眺め続ける。

俺が小さくなってるからとか、下から見てるせいもあるんだろうけど...間近で見るとやっぱり......凄く...もの凄く...

ゴクリと生唾を飲み込み、先程自分がした行為を人間の彼女に置き換えて想像する。

(柔らかいんだろうなぁ...)

背中に当たる未知の感触も手伝って、滅多にないチャンスに妄想は止まらない。でもやっぱり...どう考えたってそんなシチュエーション思いつかないけど、どうせ殴られるなら、やっぱりちゃんと触ってから殴られたかっ...「きゃあ!クラウド、こっちからも鼻血が出ちゃってるっ!」





ちょっと煙草を吸ってくる、そう言いかけたが結局シドは無言で腰を持ち上げた。
どうせ今の二人の耳には届くまい。
シュボっと小気味よくライターの音をさせ、彼らに背を向け歩き出す。

「若ぇな...」

慌てふためくティファとのぼせて目を回したクラウドが戦闘体制を整えるまでは、彼のお気に入りの煙草が数本消える必要がありそうだ。


******************


もう一回殴られたら元に戻るよん♪
書いてて楽しいですか?ええ、とっても!
カエルなのに喋れてるのはご愛嬌~




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