Minority Hour
こちらはFF7 クラウドとティファ のCPを中心とする二次創作小説を扱うサイトです。初めての方は「About this blog」をご覧下さい。コメントはwebclapからお願いします。
TIME LIMIT
拍手小話です。
おねだりクラウド。目指せ、甘々!!
俺は今、目を瞑りベッドの上であぐらをかいている。
その間、時が経つこと約10分。
早くしてくれよ、愛しい人。
足も痺れたし、心も痺れてきた。
TIME LIMIT
「あっ!いま目、開けたでしょ?」
「...開けてない」
「んもう、口動かさないでよ」
ティファ、わざとやってるのか?
そろそろ往生際が悪いぞ。
子供達が寝静まった夜中、大の大人がベッドで二人...
と言うといかがわしい響きがするが、俺達はそんな事はしていない。
それどころか、こんなに近くに居るのに互いの身体が触れ合わぬまま5分も過ぎてしまった。
「やっぱり恥ずかしいよ、クラウド...
...そうやってあらたまられると」
話は7時間前に遡る。
『今日は9時には帰れると思う』
夕方恒例の、帰るコール。
いつもと違うのは、電話の相手がちょっとした ‘意地悪’ を返してきた事だ。
『ということは、9時半...かな?』
クスクスと笑われる。
人間心理とは不思議なもので、人はどうしても話相手が一番喜ぶ事を言ってしまうらしい。
例えそれが多少の希望的観測に基づいてたとしても。
俺もそれに違わぬ一人のようで、ついつい最早な帰宅時間を伝えてしまうのはしょっちゅうだった。
つまり今日、俺は出先で ‘全く’ トラブルに巻き込まれず ‘全てが’ 理想的に進めば9時に家へと帰り着く。
『...決めた。絶対に9時に帰ってやるから』
対抗心を燃やすと、慌てて取り繕われる。
『えっ...やだ、クラウド。
事故でも起こしたら大変だから、そんな約束はやめて?
ごめんね、冗談よ...』
『安全運転は約束するよ。だから...』
ティファも約束してくれないか?
無事タイムリミットに間に合ったら、何でも一つ言う事を聞いてくれ。
『何でもって...』
言葉に詰まるが先程の皮肉に罪悪感を感じてたのか、はっきりとは断らない。
それを良い事に一方的に電話を切り、すぐさまフェンリルを走らせた。
そして無事、8時38分にエッジの入口へ着く。
ここまで来たら、もう勝負は見えている。
扉を開けるとそこにはホッとした様な、少し困った様な店主。
用意してくれた夕飯に舌鼓を打ちながら頭を巡らせ、閉店と同時に要求する。
“たまにはティファから、キスしてもらいたい”
だから今、ベッドの上で待っている。
今日半日時計と睨めっこし続け、約束を守ったご褒美を。
「お願い、目を閉じて?」
最初にそう頼まれた。
続く、ギシリとベッドに乗った音。
ついつい気になり薄っすら目を開けると、四つん這いの姿。
「もう、開けたらダメだったら!」
本気で怒られ、また閉じる。
「い......行くわよ」
‘行くわよ’って、ビンタでもする気か?
吹き出してしまった。
「もう、クラウドがちゃんとしないから出来ないじゃない!」
...閉じる。
...
......
.........
目の前には頬を真っ赤に染め、困り果てた顔。
...ああ、くそっ。反則だ。こっちまで赤くなってくる。
どうして彼女はいつまで経ってもこんなに初々しいんだ。
要求を伝えた際の反応を思い出す。
(私からって...)
寝耳に水、そんな顔をされる。
俺は “何でも” と言ったんだぞ?
これでも思い浮かんだ中で、最も刺激のないものを選んだんだ。
それに俺達は、もう何度もこんな事より凄い事をしてるじゃないか。
再び閉じられた目。
だけど、きっとまだまだあの困った赤い顔だ。
だから決めてやる。
心が完全に痺れ切り、君を掻き抱いてしまうタイムリミット。
そうだな、60にするか。丁度1分。
59、 58、 57、 56、...
楽しみなような、勿体無いような。
でも...
時間が来たら、容赦はしないよ?
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げ...限界...
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